簡単操作で3種類のスタイルに変形
まずはVAIO Fit 11Aの外観から見てみよう。最大の特徴は液晶ディスプレーを回転させることで3種類のスタイルに変形できる点だ。「マルチフリップヒンジ」と呼ばれる変形機構により、液晶ディスプレーを180度回転させることが可能。ノートPCの標準的なスタイルである「キーボードモード」から画面だけを回転させた「ビューモード」、さらにタッチ操作主体の「タブレットモード」へと変形する。
ビューモードは動画を見る際や、プレゼンなどで相手に画面を見せる際に便利だ。ただしこの状態ではキーボードからの入力が無効になっているため、タッチで操作することになる。タブレットモードはネットや写真、アプリを楽しむときに適したスタイル。ピュアタブレットと比べるさすがに大きい印象だが、画面が大きく文字も読みやすいため使い勝手はいい。
フットプリントは約幅285×奥行き198mmで、高さは最薄部で16.5mm、最厚部で19mmとなっている。全体的にはスッキリとコンパクトにまとまっているが、実際に手にするとやや厚めの印象を受けた。もっともキーボードを搭載した2-in-1モデルなので、多少の高さはやむを得ないだろう。
使い勝手に優れる液晶ディスプレーとキーボード
液晶ディスプレーのサイズは11.6型で、解像度は1920×1080ドット。dpiは約190で映像はとても精細だ。自然な色合いが特徴の「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用しているためディスプレーの発色は非常に優秀だ。光沢のあるグレアパネルが利用されているため光が映り込むこともあるが、液晶ディスプレーの角度を変えれば気にならないはずだ。視野角の広いIPSパネルを採用しているので、角度を変えてもディスプレーの色合いが沈んで見えづらくなることがない。
キーボードは87キー構成の日本語配列。キーピッチは16.95mmとやや小ぶりだ。筆者は普段キーピッチ19mmのフルキーボードを利用しているため使い始めは多少の窮屈さを感じたが、すぐに慣れることができた。
キーストロークは約1.35mmと比較的浅めだ。しかし最近の薄型ノートではキーストロークが1〜1.2mmと極端に浅いモデルが多いことを考えると、十分なストロークが確保されているとも言えるだろう。タッチは軽めで底突き感はない。キーを押した瞬間に「サクッ」とした軽いクリック感があり、軽快にタイプすることができた。キーを強めに押し込むとたわみが生じるものの、気になるレベルではない。
VAIO Fit 11Aでは、「VAIO Pro 11」と同じキーボードが使われているとのことで、コンパクトながら使い心地はかなりいい。文書作成やメールなど、外出先で文字を入力する機会が多い人にはおすすめだ。