ソニーのBDレコ「BDZ-ET2100」の高画質機能をチェック!
今度はBDレコ「BDZ-ET2100」の高画質機能をチェックしていこう。本機は最上位モデル「BDZ-EX3000」の技術を継承した「CREAS 5」を搭載(EX3000は4K対応のCREAS Pro)。高画質化のための画質調整機能も豊富に盛り込まれている。まずはその実力のほどを確かめてみた。
4Kに迫る映像でまず実践したいのは、精細感の向上だ。BDZ-ET2100には、精細感を高める調整項目として、「輪郭」、「精細感」、「超解像」などがある。まずはこれを試してみた。
「輪郭」はその名の通り、物体の輪郭をくっきりと見せるもの。最小値の「-6」としてしまうと、ビルのエッジが窓の形状が穏やかになってしまう。逆に最大値の「+6」とするとガチっとエッジが立ち、ものすごくくっきりとした再現になる。
さすがにこれはやりすぎで映像が硬くなっているし、窓枠のあたりにはオーバーシュートによる白いフチドリが目立つ。この強調感が出ない範囲で加減してやるのがコツだ。色々と試してみたところ、個人的には「+3」とするのが、不自然さがなく、カチっとした輪郭が得られると感じた。
「精細感」は、物体の質感や模様などをよりきめ細かく再現するもの。こちらも最小値と最大値を試してみたが、最小ではビルの壁面がツルっとしてしまい、イマイチ質感がわかりにくい。
これを最大値とすると、コンクリートの感触や窓の質感までよく出てくる。ただし、最大値ではノイズ感も目立ち、ざらざらとした印象になりやすい。
「-4」あたりが質感が高く、ノイズ感も気にならないものだったが、映像のノイズ感はソースによる差も大きいので、ノイズが目立ちやすいときには控えめに使うのがよさそうだ。
最後の「超解像」は、最小値「0」でオフとなる。最大値も「3」と調整の幅は少ない。映像的な違いも決して大きくはないが、ビルの頂上付近でディテールが細かくなる部分や壁面の質感がよくなっていることがわかる。最大値で使ってもあまり違和感のない映像になっている点も好ましい。
精細感の次はコントラストを調整する
精細感同様に画質にとって大事なのはコントラスト。調整する項目は「クリアブラック」と「コントラストリマスター」だ。
クリアブラックは黒の締まりを補正するもので、組み合わせるテレビに合わせて黒の再現性を調整する機能。最小値にするほど暗部が明るくなる。黒つぶれする場合はマイナス方向に調整する。
最大値は逆に黒が沈み込む。ディスプレーが黒浮きしているときにプラス方向に調整すれば黒の締まった映像になる。
今回調整に使用した映像は、黒バックに黒いオブジェクト(炭、鉄瓶、硯)を置いたディスプレー泣かせの凶悪な素材。これで試してみたところ、最小値では黒側が明るくなり、最大値では黒側が暗くなる。これについてはディスプレーとの組み合わせが重要になるので、テレビの黒側の階調再現に合わせて調整するといい。
コントラストリマスターは、映像全体のコントラスト感(明暗の幅)を補正するもので、明るいものはより明るく、暗いものはより暗くする補正が加わる。
夜景のシーンで比較してみたが、もともとコントラスト感の高い映像のためか、最小値と最大値の差がわかりにくかった。
よくよく見てみると、最大値では白い壁などがより白く、暗く沈んだ影の部分はよく深い黒になる。光の当たった黒い屋根瓦のハイライト感も輝く感じが強まっている。
BDと放送で画質を自動的に切り替えるコツ
ここで画質調整をするときのちょっとしたコツを紹介しよう。視聴するソースごとに画質調整を行なうのは少々面倒なので、汎用的に使えるカスタム調整を作るのが便利。
とはいえ、地デジなどのテレビ放送とBDソフトは、ソースの質が大きく違うので、両方で使える調整値のような万能なものはなかなか難しい。そこで役に立つのが、初期設定にある「BD-ROM専用画質モード」。
これを「入」にすると、BD-ROM再生時の調整項目が自動で記憶されるようになる。地デジなどを見るときは別の調整値が記憶されるので、BDソフト用とそれ以外で2つのカスタム調整値を作っておけるのだ。
しかも、再生するメディアによって自動で切り替わるので、いちいち自分で切り替える必要もない。BD再生では解像感重視の高精細設定、地デジ視聴時は見やすさ重視の低ノイズ設定と作り分けておけば、普段は調整を切り替えず、それぞれに適した画質を楽しめる。
BDレコの多くは画質調整の項目が数多く、普段から画質調整を行なっている人でないとメゲそうなほど充実している。実際のところ調整できるパラメーターはもっと多いのだが、今回はBDレコ側で調整を行なうと効果の高いものに絞っているので、まずはこのあたりから調整をしてみるといいだろう。
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