筆圧対応のタブレットは、今年になって多数登場している。手書きらしく入力できるようにとの配慮が強かったと思うのだが、一部ではイラスト作成用として注目を集めている。Latitude 10もその1つ。スペックでいうと、Atom Z2760 (1.8GHz)で非力である。またメモリも2GBとフィニッシュワークまで含めたイラストレーションには厳しい存在だが、特定の作業まで割り切ることで十分に使えるデバイスになるのだ。
また子供に塗り絵をさせたいといったライトな要求には十分応えるため、筆圧対応タブレットの中では低価格のLatitude 10は選ぶ価値があるともいえる。
例によってCLIP STUDIO PAINTで試す
現状、使い勝手や価格を考えるとCLIP STUDIO PAINTに絞られているため、今回もCLIP STUDIO PAINTでチェックしてこう。最新バージョンではタッチUIに最適化されたインターフェイスに切り替え可能なので、ますます都合がよいともいえる。CLIP STUDIO PAINT側の設定では、アイコンなどの大きさは標準がよい
その設定の状態で「ペンとタッチ操作を自動で切り替える」を選ぶと、Latitude 10のスペックが微妙に負けているのか、ツールなどの機能メニューをタップするとタッチ直後に反応するが、スタイラスではなぜか反応が鈍い。一方、描画領域ではペンが優先されているようで、手をつけて描く場合も誤入力率がきわめて低めになっている。その結果、ツールは指先でタッチ、描画領域はペンとやりやすくなっている。正直なところ、ツール部分などでのスタイラスの反応の鈍さの原因が特定できていないのだが、まぁイラスト作成する分には好都合なので、原因がわかったら報告したい。
使うペンや用途を割り切る
Latitude 10はスペックが低いことを考えると、用途を割り切って快適に使う方法が思いつく。イラストレーションや漫画であれば、ラフやネームといったところまでの作業するといった具合だ。またカンタンなイラストであれば彩色まで行なえるため、このあたりは使い方に大きく依存する。
ペンの種類が豊富なのでいろいろと試したいところだが、筆は総じて処理負けが多く、ちょっと遅れて彩色になることが多い。のんびりやるというならば、それもアリなのだが……
ともあれ、まずは各種ペンの描画速度を把握して、使うものを絞り込んだほうが低スペックなタブレットであってもスムーズに作業が行なえるだろう。
エンタメ兼落書き用に
Latitude 10のCPUはAtom Z2760 (1.8GHz)なので非力というわけではなく、ウェブブラウズやメール、動画視聴についてはとてもサクサク動いてくれる。そのため、低予算でエンタメを楽しみつつ、ときにはちょっと落書きしたい人には優れたコストパフォーマンスを見せてくれるのだ。
すでにイラストや漫画を描いており、出先での作業用やネタをまとめるためのデバイスが欲しいユーザーであれば、用途の割り切りはしやすいと思われるため、ネームやラフ、スケッチ用に重宝することだろう。見た目は無骨だが、背面のラバー仕様で持ちやすいのもオススメのポイントだ。