通信との融合が、家庭にある電子機器の可能性を広げつつある。例えばシャープは、クラウドでの連携も検討されている人工知能の「ココロエンジン」 を同社の健康、環境家電製品に搭載すると発表。搭載機器の第一弾として、ロボット家電「COCOROBO」を発売した。COCOROBOは部屋の掃除機能にとどまらず、音声でも操作可能。またインターネットにつなげることでスマートフォンによる遠隔操作もできるという。
これまでの常識では、一度買った家電は買った時以上のことはできなかった。その点、こうした人工知能を搭載し、さらに通信と融合することで、新しい機能を追加したり、情報を分析して機器が進化できるようになる。
同社は、ココロエンジンを冷蔵庫や電子レンジなどの白物家電にも順次搭載していく予定だ。「COCOROBO」は、お掃除ロボット「ルンバ」の対抗軸だが、通信機能が大きな差別化要因になるだろう。
家庭用以外でも、通信機能を搭載した電子機器は続々と登場している。例えばデジジャパンはクラウドシステムを使った勤怠管理「タッチオンタイム」を提供。これまでタイムリーにできなかった勤怠管理が日々確認でき、勤怠データをクラウドシステムで一元管理するので業務の効率化につながるという。
また海外では、小型カメラをWi-Fiにつなげることで、どこからでもモニタリングできる機器が販売されている。通信と融合してクラウドサービスと連携すれば、これまで限界だと思われてきた機器が新しいものに生まれ変わり、そこにビジネスチャンスが生まれる。そうした機器の新たな形に今後も注目したい。