既報のとおり、レノボはCES 2013の開催に合わせて、タッチ対応の新ThinkPad「ThinkPad Helix」や、タッチ対応USBディスプレー「ThinkVision LT1423p」などのモバイル向け新製品を発表した。
高級レストランを貸し切りにして作られたレノボのプライベートブースにうかがい、これら新製品の魅力についてじっくりとうかがってきた。
冷却ファン付きドックでCPU性能をフル活用
ThinkPad Helixの秘密
ThinkPad Helixは11.6インチ/フルHD解像度のディスプレーを備えた、セパレート型ノートである(スペックは詳細はニュース記事参照)。ニュース記事にもあるように、ThinkPad Helixと言えば、「タブレット部分をキーボードドックに裏向きに装着できる」というギミックに注目が集まりがちだ。しかし、実はこのドックに備わったギミックによって、タブレット状態でもノート状態でも、CPUの性能を引き出してバランス良く使える工夫が凝らされているのがポイントの製品なのだ。
ThinkPad Helixはタブレット部分にCPUやストレージを内蔵する。しかも搭載CPUはCore i7/i5(詳細非公開※1)で、タブレット用としては強力なCPUを内蔵している。それでいて、ボディーはかなり薄い。ノート状態での高い処理能力と、タブレット状態に適した低発熱やバッテリー駆動時間の長さを実現するために、形態に応じてCPUの消費電力(TDP)を変動させることで、これを実現している。
※1 インテルの新しい超低消費電力版Coreプロセッサー、通称Yプロセッサーと思われる。
タブレット状態ではTDPを9Wまで下げて、手で持っても熱くないようにする。一方でドッキング状態では、ドック側に装備された2基の小さな冷却ファンを稼働させることで、TDPを逆に18Wまで上げて処理性能を引き上げているのだという。ドッキング状態では、ヒンジ部の両側面にある狭い開口部から空気を吸い込み、タブレットの上部から排気するという。またタブレット部を裏返してドックに装着し、大型タブレット形態で使う際には、TDPは13Wに設定されるという。形態に合わせて柔軟な処理能力を実現しているわけだ。
Helixはディスプレー側だけでタブレットとして使えるのに、なぜ裏返してドッキングしても大きめのタブレットになるという新しい機能を作ったのかが不思議だった。だがこれについても、バッテリー駆動時間の延長以外の理由もあった。例えば企業や病院内でタブレットとして使う際に、キーボードドック部分をどこかに置いたままにして、使いたい時に使えないという状況が生じることもある。そういう時にドッキングしたままタブレットとして使えるなら、業務をストップさせずに済むというわけだ。
現時点では日本での発売は未定だが、ぜひ発売を期待したい。
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