レノボ・ジャパンは16日、ベルサール六本木で「第4回 ThinkPad 大和魂ミーティング」を開催した。2010年10月から開催されているイベントで、ThinkPadユーザーと現場担当者の交流が目的となっている。
会場に入って、まず目についたのは、後方の展示スペースだ。「ThinkPad X1 Carbon」や、10月に発表されたばかりの「ThinkPad Tablet 2」などの最新機種はもちろん、「ThinkPad 560X」など歴代のThinkPadが並んでいた。来場したユーザーは展示を見ながら、自分が過去に使っていた機種を懐かしんだり、最新機種を手に取ったりして、イベント開始までの時間を過ごしていた。
まずはThinkPad誕生20周年を祝う
ケーキカットから!!
イベントの応募は先着順で、集まったユーザーは60~70名ほど。参加できなかったユーザーに対してもUstream中継を実施し、Twitterで意見や感想を書き込めるようにする配慮が取られた。
今年は初代ThinkPad「ThinkPad 700C」が誕生してから20周年という節目の年で、イベントはそのお祝いからスタート。会場には大きなケーキが用意されており、ケーキカットをすることになった。ThinkPad宣伝部長の土居憲太郎氏、ThinkPad Tablet 2の開発責任者の木下秀徳氏、さらに土居氏とのジャンケンで選ばれたユーザー2名の合計4名で“ケーキ入刀の儀”が執り行なわれた。なお、カットされたケーキはイベントの途中で、参加者全員に振る舞われた。
キーストロークとサウンドに絶対の自信を持つ「ThinkPad X1 Carbon」
最初に登壇した土居憲太郎氏は、これまでのThinkPadの20年を振り返った。「1992年に初代Thinkpadが誕生し、翌年にはNASAと一緒に宇宙に行っています。ですから、宇宙でのシェアはいまだにNo.1だと思っております(笑)」と話し始め、その後ノートPCとして初めてCD-R、DVD-R、ウルトラベース搭載。当時最軽量、最薄のThinkPad X300の登場など、ThinkPadの先進性を軸に語った。
次にThinkPad初のUltrabook、ThinkPad X1 Carbonの紹介へと移る。「注目して欲しいのはキーストローク。X1 Carbonは1.8mmとし、Ultrabookでも妥協はしない」と熱を込めた。
またサウンドにも注力し、「このサイズのPCで、大音量で聴いて音楽や動画が楽しめる」とし、「ビデオチャットや音声チャットの際も相手の声がしっかりと聴ける点が強み」であるとした。さらに、RapidBootという新しいテクノロジーの採用、起動とシャットダウンのさらなる高速化を実現など、同製品の特徴を語った。
徹底したユーザビリティの向上から生まれた「ThinkPad Tablet 2」
続いて木下秀徳氏が登壇し、同日に記者発表会もあったThinkPad Tablet 2を紹介した。
ThinkPad Tablet 2は「ユーザーエクスペリエンスの向上」と「品質を確保しつつ、さらに薄く」することに注力した。また、ThinkPad Tablet 2の5つの特徴として「堅牢性と軽量化の実現」「セキュリティー強化」「総合管理の統合運営」「省エネ設計」「ユーザビリティを考慮した設計とオプション」を挙げた。
特に5番目のユーザビリティは「チームでいろいろな努力をした」とし、具体的には「ラバーフィーリングペイントを採用で、持ちやすさを追求」「デジタイザーペンを入れながら薄さを保つ」「ベゼルサイズを最小にする」といったところに力を入れたそうだ。
また、他社製品との違いに、オーディオパフォーマンス、GPS、タッチパフォーマンスを挙げた。オーディオパフォーマンスは「スピーカー、ノイズレベル、ひずみに対して他社と同等以上のレベルをこの厚みで達成できた」と語り、GPSは「ThinkPadという名前を持っている以上、全てのパフォーマンスが業界トップレベルを保つのは必須」とし、その中で今まで若干足りなかったGPSに力を入れた結果、正確な位置表示ができるようになったと木下氏は言う。
タッチパフォーマンスに関しては「単にデバイスのタッチの感度を上げればいいというわけではない。タッチの感度が上がっても、レスポンスやブラウザー、ドライバーの進出が悪かったら、お客さんのフィーリングとしては悪いものになる。だから一概にいうのは難しい」としながらも、同社独自の指標を作り、その指標をもとに試験。その結果、業界トップレベルのタッチフィーリングを実現した。
プレゼンの最後には「今回のThinkPad Tablet 2はMicrosoftのIDPというパートーナーシッププログラムに則って、我々とMicrosoft、Intelの3社で共同開発設計をした」と語った。そのため「Intelのリファレンスデザインは我々と共有され、他のOEMメーカーにも流していいことになっている」。つまり他のOEMメーカーは部品表と設計図をもらいパッケージングすれば、ThinkPad Tablet 2のような製品が出来るそうだ。