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【NEC報道資料】高速静止画像圧縮エンジン「StarPixel(R)」をWindows対応ソフトウェアとして販売開始
~ ビッグデータの高速処理を実現 ~

2012年11月07日 15時30分更新

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【NEC報道資料】高速静止画像圧縮エンジン「StarPixel(R)」をWindows対応ソフトウェアとして販売開始
~ ビッグデータの高速処理を実現 ~

2012年11月5日

<本件に関する情報>
http://www.nec.co.jp/embedded/products/starpixel/

NECはこのたび、低負荷・高効率での画像圧縮を実現する高速静止画像圧縮エンジン「StarPixel(R)」(スターピクセル)を、Windows対応ソフトウェアとしてDLL(注1)の形式で、本日から販売開始いたします。

これまで、JPEG2000などの圧縮率の高い画像圧縮規格は、圧縮率が優れるものの処理負荷が高いため、高速処理が要求されるビッグデータを扱うシステムや、消費電力の限られた小型の組込み機器では使いにくいという課題がありました。また、JPEGは処理負荷は低い一方で、圧縮率においてはJPEG2000より劣るという課題がありました。

「StarPixel」は、NECの中央研究所が開発した独自の画像変換・符号化手順により、処理負荷をJPEG以下に抑えながらJPEG2000と同等の圧縮率を実現します。これにより、大量の高精細画像の高速蓄積・伝送や、撮像・表示端末の小型化・低電力化・低コスト化が可能となり、宇宙・海洋などの厳しい環境下で運用される画像システムや、企業の製造ラインやプラントの監視システム、医療画像システム等の幅広い分野で活用できます。

本製品は一般的なWindowsのDLL形式として提供するため、既存の様々な画像システムへ短期間での組込みが可能です。なお、企業の要望に応じて、Linux、iOS、Android等の各種OSへの対応、本技術のハードウェア回路による提供、および画像ビューワー等の受託開発も行います。

NECは本製品を、今後3年間で10,000ライセンス販売することを目標としています。

本製品の技術のうち、可逆圧縮版(元の信号を完全に復元する圧縮方式)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」に搭載されています。
この搭載実績と、今回新たに開発した非可逆圧縮版(信号劣化を許容して高圧縮化する方式)の性能が評価され、2014年打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」では可逆版・非可逆版の両方が、メイン画像圧縮方式として採用されることとなりました。

また、本技術は、西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社(NEXCO西日本グループ)の路面画像収集システムにおいて採用されました。この路面画像収集システムは、高速道路の安全・安心を確保するため舗装路面の状況を高速走行状態で撮影して舗装のひび割れデータを収集・分析するものです。「StarPixel」はこの舗装画像をリアルタイムに高速圧縮・保存することにより、同一記録媒体にて従来の2倍以上の距離の撮影データ取得を可能としました。これにより、高速道路の舗装データ収集の効率化に貢献します。

「StarPixel」の特長は、次のとおりです。

1.高圧縮率と高速性を両立
・独自の画像変換・符号化手順により高い圧縮率と処理速度を両立。カラー画像を用いたソフトウェア圧縮実験にて、JPEG2000比で圧縮率は同等でありながら約10~40倍の圧縮速度、約6~13倍の伸張速度(注2)を達成。
・大規模な画像収集・活用の際、高画質を維持しながらもストレージ容量をJPEGと比較し大幅に削減可能。

2.多様な画像形式に対応
・劣化が許されない解析・診断用画像に有効な、元の信号に復元する可逆圧縮(圧縮率1/2)と、信号劣化を許容して高圧縮化する非可逆圧縮(圧縮率1/5~1/100)の両方に対応。
・標準でモノクロおよびRGBカラーに対応し、オプションで、デジタルカメラ等で一般的な、ベイヤー画素配置(注3)にも対応可能。
・画素形式としては、一般的な各色8bitから、医療や科学解析などで用いられる16bitの高精度形式まで対応。

昨今、製造・流通など様々な業種で画像・映像センサによるビッグデータの収集・解析が注目されています。ビッグデータを扱うシステムでは、処理データ量がペタバイト(1ペタバイト=1000テラバイト)クラスとなるものもあり、蓄積・伝送コストを抑えることのできる高効率な画像圧縮方式が必要とされています。また、撮像装置の高速処理や小型化のため、低負荷での圧縮も重視されています。さらに、デジタルカメラ等においても、高品質な画像を数多く、効率的にメモリに格納できる圧縮方式が求められています。
「StarPixel」は、このようなニーズに応えるものであり、NECは本技術を活用して、様々な画像ソリューションを提供し、企業の画像を活用した業務の効率化などに貢献していきます。

なおNECは本製品を、本年11月8日から9日に東京国際フォーラムで開催する「C&C ユーザーフォーラム & iEXPO 2012」、および、11月14日から16日にパシフィコ横浜で開催される「ET2012」に出展します。

以上

<参考>
「iEXPO 2012」 (11月8日(木)~11月9日(金)開催)
http://jpn.nec.com/uf-iexpo/

「ET 2012」 (11月14日(水)~11月16日(金)開催)
http://www.jasa.or.jp/et/ET2012/

(注1) Dynamic Link Libraryの略。Windowsにおいて、複数のアプリケーションソフトから利用される汎用性の高いプログラムをファイル化したもの。必要に応じてメモリに呼び出して利用する手法。また、そのようにして利用されるプログラムのこと。
(注2) 圧縮されたファイルを再び使える状態に戻すことを 伸長と呼び、伸長速度とはその速度を指す。
(注3) ベイヤー画素配置とは1枚のイメージセンサーでカラー画像を撮像するために用いられるフィルタ配置方法の一種。R,G,Bを市松模様状に配置したもので、一般的なコンピュータ画面などの配置方式とは異なる。
※ StarPixelは日本電気株式会社の登録商標です。
※ Windowsは米国及びその他の国におけるマイクロソフト社の登録商標です。
※ Androidは米国及びその他の国におけるGoogle社の登録商標です。
※ Linuxは米国及びその他の国におけるLinus Torvaldsの登録商標です。
※ iOSは米国及びその他の国におけるCiscoの登録商標です。

<本件に関する情報>
URL http://www.nec.co.jp/embedded/products/starpixel/

<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC 組込みインテグレーション事業開発部
E-Mail:info@embedded.jp.nec.com


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