活動弁士とは無声映画(サイレントムービー)の上映時に、内容やセリフを劇場で解説する仕事のこと。今回は女性活動弁士としても活躍されている山崎バニラさんにマイフェイバリットブルーレイをうかがった。映画の歴史にも精通しているバニラさんのセレクトはいかに?
━━活動弁士になろうと思われたきっかけをお聞かせください。
バニラさん:東京の鴬台にある「東京キネマ倶楽部」というライブハウスがあって、そこの開店時に活動弁士のオーディションがありました。じつは弁士についてよくわからないまま、そのオーディション受けにいったら、たまたま合格したのがきっかけです。
残念なことに1年半でそこでの活弁の興行は終わってしまったんです。「私もう弁士やることないんだな」と思っていたら、テレビで「マトリックス」の1章、2章のあらすじを大正琴の演奏を交えて活弁風に解説するお仕事がきました。SF作品なので、それに合わせて初めて金髪のウィッグをつけました。着物と金髪ウィッグというスタイルはこのときできたんです。
━━活動弁士は無声映画に語りを付けるお仕事ですから、昔の作品をたくさんご覧になるのですか。
バニラさん:古い作品ばかりではなく、新作を活弁風に紹介するお仕事もあったので、割と最近の映画も見ているほうだと思います。
━━活動弁士のお仕事は、上映するフィルムを探すところからはじめるのですか?
バニラさん:無声映画のフィルムは、東京国立近代美術館フィルムセンターや神戸映画資料館にお願いして貸してもらいます。そのほかに個人のコレクターの方からお借りすることもあります。
映画「アーティスト」がアカデミー賞を受賞した影響で、無声映画に注目が集まり、映画配給会社さんのほうでも、以前よりは配給してくださるようになっています。今年は旧ソ連の無声映画で「帽子箱を持った少女」というちょっと風刺の効いたコメディ映画がデジタルリマスターでDVD発売され、それを何回かやらせていただいています。
━━ブルーレイディスクは日頃からご覧になっていますか?
バニラさん:再生できる環境は揃っていたのですが、意識してブルーレイディスクを買うことはありませんでした。今回のお話をいただいたのをきっかけに、ブルーレイディスクで発売されている作品を調べたのですが、思った以上にタイトル数が多かったので驚きました。
━━画質や音質について気づかれたことは?
バニラさん:画面が繊細ですね。DVDと比べると風景など奥行きを感じることができました。今回リストに入れなかったのですが、「メトロポリス」の復刻版がBDになっていて、映像がすごくきれいなので印象に残っています。
この作品は上映時間が長いので、DVDだと2枚組になり、再生時にはディスクを入れ替えないといけないのですが、ブルーレイディスクなら1枚になっているので、オススメです。ただ、活弁をするという目線で観ると、ちょっと映像の再生スピードが速いのが気になりましたね。
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