エントリーだけど多機能なソニー「BDZ-AT350S」
ソニーの「BDZ-AT350S」(実売価格3万5000円前後)は、500GB HDDを搭載するシングルチューナー機。クロスメディアバーを採用した操作メニューなど、基本的な機能は上級機と同一になっており、自動CMカット機能やソニー自慢の自動録画機能「おまかせ・まる録」なども完備している。
DLNAサーバー機能や番組持ち出し機能などには非対応だが、機能的にはなかなか充実しているモデルだ。
薄型のすっきりとしたボディーは、正面はシンプルなものの、背面の端子は多めで端子がぎっしりと詰まっている印象。
ちなみに、S映像入出力を備えたBDレコは減少傾向にあり、S-VHSデッキで録り貯めたテープを録画したいという人にとってS端子装備のモデルは貴重。よりきれいな画質でBDなどに引っ越ししたいなら、S端子搭載モデルを選ぶようにしたい。
本機は最初に電源を投入した時には、基本的な設定をナビゲーションしてくれる機能がある。画面の指示に従って設定が行なえるので、誰でも簡単に設定を済ませられる。
このほか、録画予約や再生、ダビングなどでもガイド付きの操作となる「らくらくスタート」ボタンも用意されている。
自動録画機能の充実など
録画のしやすさはピカイチ
録画のしやすさという点では、今回紹介するモデルでは本機が一番だろう。自動録画機能に加え、サッカー中継などジャンルを設定しておくことで該当する番組を一覧表示する「My番組表」など、番組探しのための機能が充実している。
My番組表はテレビ雑誌の番組紹介ページ的なレイアウトになっており、番組探しのためにテレビ雑誌を使っている人にはなじみやすいだろう。
通常の番組表は黒バックに濃いめの色でジャンル分け表示がされるため、人によっては派手すぎて目がチカチカするなど好みは分かれそう。表示にかかる時間も実測で3秒台後半とやや遅いと感じる。イラつくほどではないがスクロールのスピードもちょっとゆっくりしている。
起動時間については、高速起動は3段階あり、最速では0秒82と極めて速い。これはよく使う時間帯を指定することで待機時消費電力を抑える機能も持っているためだ。標準では4秒台で、ほぼ完全にオフとなる(録画予約などは実行される)低消費待機は46秒かかり、あまり実用的とは言いがたい。
BD再生にかかる時間は19秒台と比較的速め。画質的にはやや穏やかだが色のくっきりとした再現になっており、メリハリの効いた映像だ。人の肌もやや赤みのある健康色となっている。
ちょっと気になったのは暗部がやや黒潰れしやすく、暗いシーンなどでは見えにくいと感じること。本機はBDレコとしては画質調整が多めなので、気になる場合は調整してみるといいだろう。
個人的な印象としては、本機の充実した番組検索のための機能を活かすならダブルチューナー以上のモデルがおすすめとも感じるが、お目当てのタレントやアイドルの番組を探したいという人には頼りになるモデルだ。
また、スマートフォン(Androidスマホ、iPhoneともに対応)を使えば、タッチ操作のリモコンとして使えるほか、外出先から録画予約をすることなどが可能で、スマホユーザーには気になる機能を備えている点も特筆しておきたい。
総合評価
機能性:★★★★★★(6)
使いやすさ:★★★★★★★★(8)
拡張性:★★★★★★★★★★(10)
画質・音質:★★★★★(5)
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