アップル製品との組み合わせに最適
ブラックモデルのデザインはコンパクトなサイズにも関わらず、重厚感を感じさせたが、対するホワイトモデルはより軽やかで現代的な雰囲気。とはいえインシュレーター部分は両機種とも800gあり、手に取るとズッシリとくる。
この重さは、もちろん音質にも貢献するはずで、こだわりぬいた部材を厳選して使用した製品であることの現れでもある。
既存モデルのカラバリというと、一部のパーツを変えた程度のものも多く、全体の調和という点で首を傾げてしまうものも少なくない。しかし、KS-1 HQMのホワイトモデルは、とても完成度が高い仕上げ。開発者のこだわりを感じる部分だ。
基本的な形状やスペックは同じはずなのに、ホワイトモデルとブラックモデルとの間で、対照的な印象を抱いたのは確か。一瞬まったく別の製品に感じてしまうほど、異なる雰囲気(オーラ)をまとっている。すでにブラックモデルを入手済みというユーザーが、サブ機や別室用に追加購入するのも悪くない選択に思える。
ホワイトモデルを要望する声は以前から高かったと聞くが、このデザインは、MacBook AirやiPhoneといった既存のアップル製品と非常によくマッチするはずだ。
アップルストア(リアル店舗のほう)にあるような白木のテーブルの上で、さりげなくいい音を聞かせているKS-1 HQMの姿を想像するだけで、何となく楽しい気分になってくる。
端子がないから「iPhoneと連携できない」は大きな誤解
以上、MacBookシリーズを初めとしたアップル製品と積極的に組み合わせていきたいKS-1 HQMのホワイトモデルを紹介した。とはいえ記事を書きながら、1点だけ引っかかっているポイントがあったのも事実だ。
このデザインであれば、Macはもちろん、iPhoneやiPodとの相性も抜群であるはず。しかし「KS-1 HQMにiPodとデジタル接続ができないという点は片手落ちなのではないか?」という疑問である。
iPhone(およびiPod)にはDockコネクターからデジタル出力する機能がある。市販のAV機器には“iPodデジタル接続”などという名称で、iPhone/iPodと連携できる点を強調しているモデルも存在する。
一方、KS-1 HQMが搭載している入力端子は、光デジタル1系統、USBが1系統、そしてアナログミニジャック1系統。残念ながらiPodデジタル接続に対応した端子はない。
しかしそれだけで、KS-1 HQMがiPhone/iPodとの連携に使えないと考えてしまうのは早計である。ここでは、iPhoneを中心としたPCオーディオの現状を振り返りながら、KS-1 HQMを活用していく方法について考えていきたいと思う。