ヘッドマウントディスプレー「HMZ-T1」で
極小ホームシアターを構築してみる!
HDMI出力の活用例というと、このほかにポケットタイプのプロジェクターにつないで“極小ホームシアター”を実現! というのも脳裏によぎる。
ただ、ポケットサイズのプロジェクターでHDMI入力を備えるものがあまりないのが現状。そこで考えたのは、ソニーのヘッドマウントディスプレー「HMZ-T1」(実売価格6万円前後)を使うことだ。
筆者も欲しくてたまらないアイテムなのだが、残念ながら発売日のゲットに失敗し、普通に在庫されるタイミングを待っていたら、大人気なのか品薄状況がずっと続き、今注文しても納品は4月になってしまうという状態だ。
それはさておき、HMZ-T1は高コントラストな有機ELを表示パネルに採用し、1280×720ドットの表示が可能。右目と左目用にそれぞれ表示パネルがあるので、3D表示もクロストークなしでスムーズな立体映像が楽しめる。
さらに付属のヘッドホンはバーチャルサラウンド技術も採用と、かなり魅力的な製品。自分のいるスペースさえ確保すれば、かなりの大画面再生が表示できるこのアイテムは、スマホとの相性も抜群にいいはず。
理想を言えば、バッテリー内蔵によるポータブル化、ワイヤレスHDMI接続にも対応して、好きな場所に持ち出して大画面ハイビジョン映像を楽しめるようになるとうれしい。そんな未来の楽しみをちょっと先取りして試してみたというわけだ。
結果から言ってしまうと、スマホのHDMI出力を使ったHMZ-T1の視聴は、使い勝手がややよくなかった。というのは、スマホでの再生の場合はスマホが再生コントローラーになるが、HMZ-T1を装着してしまうとスマホの画面を見られなくなる。このため、映画などを再生してずっと見ているだけならばいいが、「YouTube」などこまめに操作を行なうことがあるソースでは直接画面が見えないため操作がしづらく、あまり快適とは言えなかった。
ただし、「立って半畳、寝て一畳」の極小ホームシアターを実現できるHMZ-T1と、同じく極小マルチメディアプレーヤーであるスマホとの組み合わせは、その可能性を十分以上に感じる。
特にスマホをモーションコントローラーとして使うタイプのゲームとの相性は最高だ(ドライブゲームの没入感がハンパじゃなかった)。また、「Skype」のようなビデオ通話サービスを利用すると愉快な気がする。相手先にはちょっとサイバーな自分の姿が映るかもしれないが、それもまた良し、だ。
スマホで楽しめる多彩なコンテンツや機能を考えると、もっとも楽しい使い方も発見できるかもしれない。このあたりは、個人的にもじっくりと可能性の探究に挑戦してみたいと思った(HMZ-T1を手に入れるのが先だが)。
こうしていろいろと試してみると、スマホがAVプレーヤーとしてかなり優秀な実力を備えていることがわかった。スマホ本来の目的(電話)からどんどん遠ざかっている気もしないではないが、可能性の高いアイテムはどんどん取り込んでしまうのが、AVの欲深さ、否、奥深さなのだ。
そして、最終回の次回は、各社が採用する独自の機能や用意されている専用アプリを詳しく紹介していく。
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