レスポンスの悪さが大きな難点
このように映画の本数という観点から見ると、Apple TVとアクトビラで、実はそれほど大きな差があるわけではない。ただ、アクトビラが確実にアドバンテージを保っている領域がある。それはアニメやアイドル、あるいはグラビアなど、ローカル色(日本独自)の強いコンテンツもラインナップされている点である。
特にアニメ作品には力が入れられており、たとえば「国内アニメ(テレビ)」というカテゴリでは363件がリストアップされている。これらのほとんどが、数話から数十話で構成されるシリーズであることを考えると、本数という観点からはかなり膨大な数になる。
ほかにも、NHKオンデマンドやDMM.TVなど、日本独自の映像配信サービスと連携しているのも大きな強みであり、Apple TVに対するアドバンテージだと言える。
このようにアクトビラは、ユーザーの嗜好次第だが、作品ラインナップは十分な魅力である。ただ、それだけに残念なのがインターフェースのレスポンスの悪さだ。
アクトビラは前述したとおり十字キーと決定キーなどを使って操作していくが、それぞれのアクションに対して反応が返ってくるのがあまりにも遅いのだ。
ハードウェア側(テレビやBDレコなど)の処理能力にもよるため、一概にサービス側原因とは言えないが、メニュー遷移のために決定キーを押すと、画面右上でページ読み込み中のアイコンが回転し、しばらく待ってようやくページが描き換えられるという状況である。
ちなみに、200MbpsのFTTH環境にルータを介して有線LANで接続した状態において、アクトビラの「ビデオメニュー」ページから「邦画すべて」を選択し、ページが切り替わる時間を計測したところ、約15秒もかかった。これを繰り返して目的の作品を探し出すのは、かなり根気のいる作業だ。
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今回、KDL-22EX300に搭載されている映像配信サービスを一通りチェックしてみたが、動画配信サービス自体がまだまだ発展途上という印象を受ける。
コンテンツ数が十分でないことに加え、使い勝手の面でも改善の余地は大きく、現状では万人が気軽に使えるサービスとは言い難い。映像配信サービス自体は利用者にとっても利便性が大きいだけに、今後の改良に期待したいところだ。
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