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Lenovo Ideaシリーズ大研究 第47回

瞬時に起動してブラウジングやSkypeが可能

IdeaPad S10-3(3)──Lenovo Quick Startの使い勝手

2010年12月28日 11時00分更新

文● 二瓶朗、写真●篠原孝志(パシャ)

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モバイルでの利用を想定したIdeaPad S10シリーズには、Lenovo Quick Startという即時性を重視した機能を搭載している。独自OSですぐにブラウザーなどが使えるというものだ。

Windowsを起動しないで各種ネットサービスを利用できる

 S10-3には、Windows 7を起動せずに、ブラウザベースのOSを起動して各種サービスを利用できる「Lenovo Quick Start」という機能が搭載されている。

 S10-3を起動するとき、電源ボタンを押すのではなく、液晶右下にある「QS」ボタンを押して起動すると、この「Quick Start」モードで起動する。

液晶ディスプレーの右下にあるボタンの中で、QSと書かれているのがQuick Startボタン。電源がオフの状態で押すとQuick Startモードでの起動が始まる(初回のみキーボードや通信など簡単な設定が必要)

 すると、Windows 7ではなく「Splashtop」というOSが起動する。Windows 7よりも起動時間が短く、実測したところ約20秒程度でOSの起動が完了する、まさにクイックにスタートするOSだ。

 あまり複雑なアプリケーションは動作させられないようで、利用できるのはWebブラウザ、メール、チャットなど、基本的にブラウザベースの機能。ほかにYouTubeやmixi、楽天などへも直接アクセスできる。

「Quick Start」モードで起動したS10-3。下側にさまざまな機能を提供するランチャーが用意されており、ブラウザベースの機能を利用できる

追加できる機能は豊富。ショッピングサイトやSNSなどへのショートカットもデフォルトで用意されている

ブラウザーはFirefoxだと思われる。特殊なサイトでなければ問題ないだろう

 基本的にWindows 7で扱っているファイル類をQuick Startモードから開いたりすることはできない。逆もまたしかり。唯一、ブラウザのお気に入りのみ、Windows 7とからQuick Startモードへエクスポートすることができる。エクスポートには、Windows 7を起動しているときに「Lenovo Quick Startコンフィギュレーションツール」を起動する。

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Internet ExplorerまたはFirefoxのお気に入りのみをエクスポートできる

 確かに「Quick Start」モードは高速だが、Windows 7とのデータ連係ができないという弱点がある点は理解しておこう。相互にデータをやりとりできれば、シチュエーションに応じて頻繁に使い分けすることができると思うのだが。

 ただ、実際「いまWebだけ見られればいい」「ちょっとだけメールを読みたい」という緊急な場合には、Windows 7を起動するよりもQuick Startモードで起動したほうが手っ取り早いこともある。ただしそのときはS10-3の電源がオフになっているという前提。スリープもしくはスタンバイ状態であれば、そもそもQuick Startモードでは起動できないからだ。このあたりも改善してもらえればと思う。

 なお、Quick Start機能はBIOSの設定画面からオフにすることも可能である。


移動時のハードディスクトラブルを未然に防ぐ

 上記の機能はモバイルで威力を発揮するものの典型と言えるが、もうひとつS10-3の機能を紹介しておこう。SSD搭載製品も増えてきたモバイルノートだが、S10-3は2.5インチHDDを内蔵する。

 持ち運ぶことが前提のネットブックなだけに、デスク上で据え置いて使うマシンよりも、稼働中のHDDに何らかの問題が起こる可能性は高い。そういったHDDに関する事故の心配を払拭するのが、IBM時代からモバイルノートに伝統的に搭載されている「ハードディスク・アクティブプロテクション」機能だ。このS10-3にも搭載されている。

 ハードディスク・アクティブプロテクション機能は、本体に異常な加速度や衝撃が検知された場合に、HDD内部でヘッドを緊急待避してHDDの破損を防ぐ機能。万が一に備えた機能は、S10-3を日常的に持ち運ぶ場合でもそこはかとなく安心感が漂うのである。

内蔵HDDを不慮の事故から守るハードディスク・アクティブプロテクション。衝撃の強弱なども指定できる。

 次のコーナーでは、モバイル時のS10-3の使い勝手について率直に解説していこう。

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