3D特集5回目となる最終回は、3Dを楽しめるパソコンを自作する方法を解説する。
前回は、NVIDIAの「3D Vision」について、PCに組み込まれた機能ということであまり詳しく触れなかった。しかし、3Dパソコンを自作する場合はかなり重要。今回は詳しく解説していこうと思う。
3Dを楽しめる製品とはどんなものか?
PCで3Dを楽しむ製品は現在のところ、3D Visionを核とし、これに3D対応液晶ディスプレーを組み合わせる方法がある。その解説の前に、ここでちょっとPCと3Dの歴史を見てみよう。
実はPCと3Dの歴史は意外に深く2001年まで遡る。2001年3月19日のASCII.jpの記事に「PLAY3DPC/CDRWD-i1210J/USB/PCSD-16MS」というタイトルのものがあった。
上記の記事を見て頂ければわかるが、実は既に2001年の段階でPC周辺機器メーカーのアイ・オー・データ機器からPC用の3Dキット「PLAY3DPC」が発売されていた。しかもアクティブシャッターメガネを使う3D Visionとほぼ同じ方式だ。
当時はこの製品もそれなりに流行ったようだが、液晶ディスプレーが主流になるにつれ、廃れてしまった。なぜなら、当時の液晶ディスプレーはまだ基板も液晶パネルの性能も低く、垂直リフレッシュレートは50Hzを出すのが精一杯だったからだ。
PLAY3DPCのアクティブシャッター方式のメガネを使うためには、ディスプレーの垂直リフレッシュレートは100Hzが必要で、これはブラウン管ディスプレーでしかできなかった。
前回で紹介したNECの「VALUESTAR VN790/BS」にはアイ・オー・データ機器の「DigitalVideo3D PlayerLE」が搭載されており、「なぜPC周辺機器メーカーのソフトが?」と思ったユーザーも多いかも知れないが、このような実績があったからである。
実はアイ・オー・データ機器は「日本の3Dのパイオニア」とも言って良い存在なのだ。なお、アイ・オー・データ機器以外にもハイエンドなビデオカードで有名なELSAが「ELSA 3D REVELATOR 」という3Dメガネキットを10年ほど前に発表しており、PCで3Dを見る製品はいくつか存在していたのだ。家電では2010年は「3D元年」と言われているが、PC業界では「3Dの再来」と言った方が正確だろう。
ちなみに、その後もアイ・オー・データ機器は液晶時代に対応するために、同社の液晶ディスプレー用の3Dフィルターと偏向フィルターメガネをセットにした製品「PFL-PLAY3D-I」(関連サイト)などもリリースしている。アイ・オー・データ機器は、「夏に向けて製品を準備中」というコメントを出しており、今後が楽しみなところだ。
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