ThinkPadのユーザビリティーはどう変わったか
X100eとThinkPad Edgeでは、キーボードの変更が早くから話題になっていた。それだけ、従来機の7列キーボードが高く評価されていたわけだ。X100eのキーボードは6列キーボード。しかもレノボが言うところの「フレーム付きキーボード」というもので、他社のネットブック製品でよくあるアイソレーションキーボードとなっている。
キートップは下端がふくらんでいるが、15mm×15mmのほぼスクエアな形状をしており、ラバードームで中央を支えられている。なお、キートップを取り外すことはできない。キーピッチは実測で縦が18mm、横方向が18.5mm、キーストロークは同じく実測で2mm強、といったところである。
2009年秋ごろから、スペックや写真が一部にリークされていたこともあって、筆者も見た目だけで判断し、正直なところ「これはどうなのだろう?」と不安を覚えていたのも事実だ。しかし、実際に触れてみると心配は見事に払拭された。
打鍵感覚は、筆者が現在常用している「ThinkPad X61s」(第2世代)とほとんど変わらない。X200シリーズ(第3世代)と比べると、やや柔らかくストロークが浅いように感じるものの、キーの上を滑るように指を動かすことができた。キーピッチが十分に広く、各キーの区別もつきやすいことに加え、ベース部分もしっかりしていて、低コストキーボードにありがちなフワフワ感もなかった。
さてThinkPadといえば、もうひとつ。トラックポイントの存在も忘れてはならない。X100eではスティック状のトラックポイントと、マルチタッチ対応のパッドが一体化された「ウルトラナビ」を装備する。従来のThinkPad Xシリーズでは、やや大型のX300で搭載されていたものの、小型・低価格機のX100eに載せてきたというのも、ユーザーによる好みの問題を解決するがゆえの方策なのだろう。
本体強度の関係上、液晶パネルとの接触を避けるためトラックポイント(スティック状の部分)が、いくぶん低くなっているものの、従来のトラックポイントと同様に快適に操作できた。なお、トラックポイントとタッチパッドは同時に利用できる。
現行ThinkPadシリーズの中では最も小型の11.6型ワイド液晶ディスプレーは、既存のX200シリーズ(1280×800ドット表示)よりも高解像度な、1366×768ドット表示となっている。サイズが同じで従来よりも高解像になるので、「文字が見えにくくなるのでは?」といった不安も一部にあったようだが、視認性に特に問題はなかった。LEDバックライトの採用で画面の明るさが均一であり、ノングレアパネルのため外光の反射も気にならない。
これら入出力で妥協しないのは、さすがに“Think”を名乗るだけはあるといえる。一方で、振動感知時にHDDのヘッドを退避させる「レノボHDDプロテクション」や、動作モードによる電源消費を細かく設定できる「省電力マネージャー3」など、ユーティリティ類「ThinkVantage Tools」も上位機種同様に用意されている。
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