上級モデルにふさわしい、高級感のあるデザイン
次世代液晶パネル搭載モデルにふさわしく一新されたデザインも見事だ。デザインはこれまでのAQUOSシリーズと同じく、世界的なインダストリアルデザイナーの喜多俊之氏によるもので、画面の左右と下部にスピーカーを配しながらもスリムな印象にまとめられている。画面周囲のフレームの艶やかさとメタリックの質感を組み合わせた洗練されたものになっている。
背面の入出力端子は、HDMI端子3系統をはじめ、十分な入力端子を備えている。HDMI端子の1系統は側面に備えられており、ハイビジョンビデオカメラなどの接続もやりやすいようになっている。
画質・音質にも徹底したこだわり
前述の通り、LX1は液晶テレビの画質の決め手となる表示パネルとバックライトを一新している。パネルの表現能力が向上すれば、テレビの映像の表現にも余裕が出てくる。以前なら、黒の締まりを高めるために、画作りなどで黒っぽさを演出する必要があったが、仮にそのまま表示してもしっかりと黒が締まるなら、余計な「お化粧」の必要はない。
わかりやすく言えば、従来の液晶はお化粧の上手な美人。LX1はすっぴんの美人という言い方ができる。もちろん、高画質回路には、昨年発売のモデルから採用された「高画質マスターエンジン」が使われており、すっぴんの美しさをさらに生かすため、映像信号のノイズ低減や精細感の向上といったこともきちんと行なわれている。
その画質は、まさにすっきりとしたストレートな映像。ノイズの少ない見やすさと、くっきりとメリハリの効いたディテールが同居している。色再現もさっぱりとした爽快感のあるもので、ややあっさり気味ではあるが、肌の色の微妙な変化などはきめ細かく再現できている。
この実力はなかなかのもので、明るく鮮やかだが全体に濃いめでくどくなりがちなところを抑え、すっきりと自然な映像で楽しめる。もちろん、しっとりと沈んだ黒、輝くような白の再現もかなりのものだ。一般的なユーザーが購入を検討できる価格のモデルの中ではトップクラスにあると言っていい。
そして、LX1は映像だけではなく、音質にもこだわっている。搭載されている「ARSS」スピーカーは、画面両側のツイーター、画面下部のウーファー、背面に備えたサブウーファーの合計6つのユニットを使用したもの(40V型は5スピーカー構成)。指向性の強いツイーターを画面の両サイドに配置したため、映像と音の一体感が優れており、低音の迫力も十分だ。
基本的な傾向は画質にも通じるストレートでクリアな印象。ニュースのアナウンスやドラマの声などの厚みがしっかりとした声で、聴きやすい。低音も十分で、薄型テレビにありがちなボコボコとした安っぽい低音ではなく、力強く伸びる低音が楽しめる。
46V型以上のモデルはウーファーを2個使用した振動キャンセル構造となっているので、ボディの不要な共振もなく、音の濁りのないクリアーさにも貢献している。この音の良さはテレビとしてはかなり立派。映画だけでなく、音楽再生も十分楽しめるものとなっている。
シリーズの位置づけとしても、上級シリーズにあたるモデルだけに、高画質・高音質は当たり前とも言えるが、過去の同等シリーズである「R」シリーズなどと比べても、大幅に進化した印象がある。