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ここがスゴいぞっ! iLife ’09 第9回

俺の曲を聞け! GarageBandで作った音楽を共有

2009年06月23日 14時19分更新

文● 内山秀樹

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YouTubeやニコニコ動画で世界デビュー!?

 オリジナル曲をさらに世界中の多くの人に聞いてもらいたいときには、人気のSNSや動画共有サービスを利用するのが近道だろう。

 最近では、YouTube、ニコニコ動画、MySpace、mixiなどに自分の作品を公開する人が急激に増えてきており、ネットでちょっとしたDTMブームを巻き起こしている。GarageBand自体の機能からはちょっと話が逸れてしまうが、自分の曲をより多くの人々に評価してもらうために、お手軽に共有する方法を紹介しよう。

「初音ミク」を始めとした、ネットのDTMブームに火を付けたのが、YouTube(画像左)やニコニコ動画(右)といった動画共有のサービスだ。世界中の視聴者からコメントが寄せられるため、制作者にとっても大きな励みになるはず

 音楽を動画共有サービスで公開する最もお手軽な手段として個人的にオススメしたいのが「静止画付きの音楽動画」。

 動画共有サービスは、当たり前だが動画を扱うことが目的なため、基本的に音声だけをアップロードすることはできない。曲を公開するたびに凝ったプロモーションビデオを作れればいいが、手間もかかるので多くの人はなかなかそこまで到達できないだろう。そこで、最もカンタンな静止画付きの音楽動画──要するに1枚絵のスライドショーでアップロードしようということだ。

iPhoto '09のスライドショー機能

 このスライドショーの作成には、iLife '09に含まれる「iPhoto」を利用する(関連記事)。

 手順は、まずiPhoto上で背景に使う画像を1枚選択して、スライドショーを新たに作成。そのスライドショーのBGMとして、GarageBandのオリジナル曲を指定すればいい。iPhoneは画面上からGarageBandのプロジェクトファイルを直接読み込めるため、いちいちGarageBand側で曲を書き出す手間もない。

 あとはスライドショーの「書き出す」ボタンをクリックして変換を始める。書き出しの際には画質が選べるが、特にこだわりがなければ「ディスプレイ」を指定しておけば、音声が非圧縮で書き出される。これで書き出して、YouTubeやニコニコ動画のアカウントを取得して、ファイルをアップロードすれば完成だ。

GarageBandのプロジェクトを保存する際に、画像のダイアログで「はい」を押してiLifeプレビュー付きで書き込めば、iPhotoから直接GarageBandの曲を扱えるようになる

iPhotoで背景にする画像を選んで、左下の「+」ボタンを押してスライドショーを作成。中央下の「設定」を押して、音楽の長さにスライドショーを合わせるように指定しよう

GarageBandのプロジェクトファイルをホーム内の「ミュージック」→「GarageBand」フォルダーに保存しておけば、iPhotoでスライドショーを作成している際に中央下の「曲」から指定できるようになる

あとは右下の「書き出す」ボタンを押して、「ディスプレイ」の設定で保存しよう

保存したファイルをQuickTimeで開いた際のプロパティ。音声のフォーマットが非圧縮の「16ビット整数」になっている

 上の設定で例えばYouTubeにアップロードすると、再変換がかかってAAC形式/128kbpsに圧縮される。この音質なら圧縮ノイズもほとんど目立たず、「広く聴いてもらう」という目的を果たすには十分なレベルだろう(下記のコラム参照)。

 YouTubeやニコニコ動画などでは、埋もれた「才能」が次々と発掘されている(関連記事)。せっかく作った曲を自分のMacだけに収めておくのはもったいないし、他人にアドバイスをもらってこそ上達するというもの。自信作を投稿したら、思わぬ人気を集めちゃうかも!? ぜひMacとGarageBandで動画共有サービスを活用してほしい。

より高音質を目指すには

 音質を極める上で重要なのは、1)圧縮は一度で済ませる、2)動画共有サイトに合ったファイル形式/ビットレートを選ぶということ。

 MP3やAACといった音声形式は非可逆圧縮で、何度も圧縮を重ねると音質が劣化していく。また、動画共有サイトは投稿できるファイルの仕様が決まっており、指定外の動画をアップロードすると再変換がかかるため、音質の劣化が起こってしまうというわけだ。

 例えば、最大ファイル容量はYouTubeでは1GB/10分以内、ニコニコ動画は40MB(一般会員)と定められている。ビデオ+音声の最大ビットレートはFLV形式の場合、YouTubeでは350kbps、ニコニコ動画では600kbps(一般会員)だ。さらに現在では、従来のFLV形式に加えて、MPEG-4(ビデオがH.264、音声がAAC)など、より圧縮効率のいい形式も使えるようになっている。

 要するに、再変換がかからないように、iPhotoの書き出し時にカスタム設定を選んで、ビデオの解像度/ファイル形式/プロファイル/解像度/ビットレート、音声のビットレート/サンプルレートなどを細かく指定するのがベストだ。しかし、最適な解像度/ビットレートというのは元の動画の長さなどによっても変わってくるのでややこしい。

 結局、クオリティーの「追い込み」は自分でやるしかない。YouTubeでは公式の仕様を、ニコニコ動画ではユーザーが作ったまとめWikiを参考に、自分なりの設定を追求してみよう。


※次回以降は、今回も少し触れた、GarageBandでポッドキャストを作成するテクニックを紹介していこう。乞うご期待!


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