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実績も高いアーカイブソフトの代表格

「Symantec Enterprise Vault 8.0」~シマンテック~

2009年04月21日 04時00分更新

文● ネットワークマガジン編集部

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GUI設定で詳細なポリシーを設定できる(画面は前バージョン)

円熟のアーカイブツール

 シマンテックは、古くからメールセキュリティに取り組んでおり、アンチウイルスやアンチスパム、メールアーカイブ、情報漏えい対策など実に幅広い製品を手がけている。また、単なる製品の提供のみではなく、メールセキュリティをSaaS型で提供するメッセージラボのような取り組みも行なっている。ここではアーカイブツール「Symantec Enterprise Vault(以下、Enterprise Vault)」を取り上げる。

 Enterprise Vaultはアーカイブという用語が一般的ではない頃から提供されてきたアーカイブソフトの代表製品である。Enterprise Vaultの基本は、複数のサーバのデータをポリシーに従ってストレージに溜め込みつつ、管理を一元化する。そして、このアーカイブに対して、エンドユーザーや企業の監査担当者が必要な情報を効率的に抽出するというソリューションだ。

 データを保存する際はMicrosoft ExchangeやSharePoint Server、IBM Lotus Dominoなどに限らず、ファイルサーバのデータまでもポリシーに従って、「Vaultストア」に保存する。この際には単に溜め込むだけではなく、圧縮や重複排除を行なってデータ容量をコンパクトにしつつ、データを分類し、検索用のインデックスも生成する。これにより、受信メールの増大によるメールボックスの肥大化を抑えつつ、既存のメールクライアントから簡単に利用できる環境を構築する。

 あとは適切なアクセス権を持つユーザーが条件を付けて、Outlookなどから検索すれば必要なメールやファイルをすぐに抽出できる。複数のサーバのデータをEnterprise Vaultを介して、まとめてアーカイブしておけば、管理も容易に行なえる。

コンプライアンスを実現するツール

 使い勝手や機能の差はあれ、ここまで紹介した機能は、アーカイブツールとしては一般的といえる。しかし、Enterprise Vaultで優れているのは、法令に基づいた監査や証拠・レポート提出に役立つ「Discovery Accelerator」と「Compliance Accelerator」というツールが用意されている点だ。

 Discovery Acceleratorはアクセス権限を決めずに全文検索を行なうことで、訴訟などで必要な情報を集める用途に向いている。抽出された情報は担当者がレビューし、不審なものはマーキング。「リーガルホールド」という機能で削除処理などを中止させることが可能だ。もちろん、こうした監査作業の履歴もデータベースに残されるので、SOX法などの内部監査の要件も満たせるだろう。

 一方のCompliance Acceleratorは内部監査向けのツールで、バッチ的に検索を行なうことで、不適切な発言がないかなどを定期的に調べることができる。「全体の20%のメールを調べる」といったランダムサンプルを採る機能も持っている。

 1月に発表された最新版8.0では、データ量を削減するためのアーカイブの最適化がより効率的なった。同社では「電子メールやファイルなどの非構造化データの保存コストを約60%削減できる」としている。また、GUIも一新され、実データとアーカイブデータをよりシームレスに扱うことが可能になった。大規模環境での導入に関しても、コンサルティングサービスが用意されているので、安心だ。

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