低価格ながら本格派のアーカイブアプライアンス
「Barracuda Message Archiver」~バラクーダネットワークスジャパン~
2009年04月21日 04時00分更新
2TBのHDDを搭載し、最大2000ユーザーまでに対応するミッドレンジモデル「Barracuda Message Archiver 650」 |
簡単導入&簡単検索の
新しいアーカイブツール
メールアーカイブは、SOX法に関連してコンプライアンスの用途で取り上げられることが多いが、エンドユーザーや管理者にとっても導入メリットは大きい。たとえば、データの保護を目的とするバックアップと異なり、メールアーカイブでは過去のメールを簡単に検索できるというメリットを持つ。これにより、過去に辞めた従業員の交渉履歴を探したり、削除される前のメールを検出することも可能だ。また、PCのクラッシュなどの事態が起こっても、すぐに過去のメールが参照できる。
こうしたアーカイブをアプライアンスという形態で提供するのが、スパムメール対策アプライアンス「Spam Firewall」で有名なバラクーダネットワークスの「Barracuda Message Archiver」である。
Barracuda Message Archiverは文字通り、メールアーカイブを専用に行なう装置だ。送受信されたメール自体をリアルタイムにキャプチャしたり、Microsoft Exchangeのメールすべてをインポートすることにより長期保存を行なう。溜め込んだメールに対しては、全文検索機能によりすべてのアーカイブメールから検索をかけ、すぐに取り出すことができる。また、条件検索にも対応しており、該当のメールを絞り込み検索することも可能だ。メールの取り出しを行なうユーザーに関しても3種類のアクセス権限を設けることができる。また、個人情報や不適切用語、プライベートメールなどを元にあらかじめ設定されたポリシーを適用し、定期的に監視することも可能だ。
このようにアーカイブツールとして十分な機能を持ちながら、アプライアンスならではの導入のしやすさをきちんと確保しているのも大きな特徴。もちろん設定ツールもGUI化されており、レポートなどを簡単に確認できる。
GUIツールから、複数の検索条件からメールの絞り込み検索ができる。 |
外部ストレージも利用可能
構成も柔軟に変更できる
製品ラインナップは全部でBarracuda Message Archiver 350/450/650/850/950の5つのモデルが用意されており、ユーザー数として500~6000、ストレージ容量として500GB~6TBまでに対応する。内部ストレージも十分搭載している。また、CIFSのファイル共有機能を持っているため、外部のストレージにミラーリングしてもよい。上位機種ではiSCSIのアダプタも搭載している。
導入の構成としては、メールのコピーをアーカイブ用のメールアドレス(ジャーナルアカウント)に送信し、それを溜め込む「ジャーナルタイプ」が推奨となっている。ジャーナルアカウントはExchange 2003や2007など対応しており、メールサーバの停止なしで導入できる。その他、ジャーナル機能が使えない場合も、SMTPリレーサーバとして元のメールサーバから転送させる構成がある。
導入しやすいコモディティ製品を得意とするバラクーダなだけに、価格も170万円台からとリーズナブル。最大14日間の評価機の貸し出しも行なっているので、まずは使い勝手を確認するのがよいだろう。