富士通(株)から、29日に発表になった小型タブレットPC『FMV-BIBLO LOOX P70T/V』。編集部にその実機が届いたので、写真とともに紹介しよう。
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8月29日に発売となったLOOX Pシリーズの新モデル『FMV-BIBLO LOOX P70T/V』 |
評価に使用したのは量産直前の試作機のため、外観の仕上げなどが実際の製品と異なる場合があります。
従来機種と外観を比較――より渋い印象に
“LOOX P”シリーズは、富士通のノートパソコンの中でも最も軽量コンパクトな1台。本体重量は標準バッテリー搭載時で1kgを切る997gとなっている。液晶パネルには感圧式のタッチパネルを搭載しており、内蔵のスタイラスや指先で画面を押しながら快適な操作を行なうことができる。筐体は従来同様マグネシウム合金製で、サイズ的にもほぼ同等となるが、カラーリングが変更となった。
訂正とお詫び:筐体のロアカバーの部分はマグネシウム合金を使用しているという指摘が富士通からありましたので、その旨修正いたしました。(9月15日)
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LOOX P70T/V(左)の天板を現行機種の『LOOX P70S』(右)と比較したところ。サイズはほぼ同じだが、ロゴの位置などデザインは変更されている |
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左がLOOX P70T/V。キーボード部分の配色は、明るいシルバーから、ガンメタ風のより渋いカラーリングとなった。ポインティングデバイスのボタン形状も変更された |
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上がLOOX P70T/V。ヒンジやタブレットボタンの形状が異なっている。液晶パネルのフレーム部分(左手前)に設けられたタブレットボタンは従来と同じ構成だが、右手前にバックライトをON/OFFするためのボタンも新たに用意された |
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左手前にあるタブレットボタンのうち、左の2つが上下スクロールボタン。中央が画面の方向の切り替えボタンとなる。“Fn”ボタンとの左の2つのボタンのコンビネーションで“アプリケーション起動”も行なえる。右端は長押しで“タスクマネージャの起動”(Ctrl+Alt+Del)となる |
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パネル右手前にある電源ボタンはスライド式に変わった。投入時にはブルーに点灯する。その左にあるのが、液晶パネルのフロントライトをON/OFFするためのボタン(新規搭載)。Fnキーとのコンビネーションでアプリケーションを起動することもできる |
孤高ハシモトが語る、新LOOX Pの魅力
新LOOX Pが編集部にやってきた。これを手に取るたびに、私の心は夕焼け空を眺めるような、切ない気持ちになる。
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夕焼けをひとり眺める、孤高ハシモト32歳。幸あれ! |
春先に購入したばかりの従来機『LOOX P70S』(以下旧LOOX P)もいいマシンである。おそらく、(キーボードで本格的に原稿を書けると言う意味で)実用的な仕様を保つ“ギリギリの小ささ”なのではないだろうか。モバイルマシンとしての基本機能は画面解像度以外に不満がなく、実際記者会見の最中でもバリバリと原稿を書いている。原稿を書く速度が、(ウェブ媒体の記者としては)人並み以上に遅い私でも、それなりの速度で原稿を仕上げられるようになり、結果として人並みに追いついた。上司から「遅せえ、遅せえよ、俺なら記事3本は書けてるよ」というような目で睨まれることも少なくなった。
だが、新しいLOOX Pには、私の求めるすべてが入っているように思える。液晶パネルの解像度が上がっているので、パッと見、やや窮屈な印象だった旧LOOX Pより、なんとなく“余裕がある感じ”を受けるし、デスクトップに並べるアイコンの数など、一度に見られる情報量も増えている。Bluetoothも、対応携帯電話機を常に持ち運んでいる筆者には願ったり叶ったりの機能である。ワンセグの搭載は、会社に泊まることを(極力)拒絶する唯一の理由が、深夜のテレビ番組が観られないことである私にとっては“職場を寝床に変える”すばらしい(?)新機能にすら思える。
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黒みが増した新LOOX |
また、何気に胸に突き刺さったのが、ブラックの本体カラーだ! 旧LOOX Pは一部シルバーのツートンカラーで“仕事のできるビジネスマンが使うツール”的な堅いイメージだったが、今回はチタン風のクールなデザインとなった。これなら「見た目は小汚い格好のオッサンかもしれないが、俺には見果てぬ野望があるのだ」という“腹の中は真っ黒だぞ”感をこっそり演出できそうな気がする。
新LOOX Pに買い換えるために愛着のある旧モデルを売り払うのは決して楽しいことではない(実際、決定的な不満もない)。しかし、私は新LOOX Pを買ってしまうかもしれない。私からすれば「これは“向上心”なのだ、夕焼けの空に向かって走り出すような心持ちなのだ!」。……という自分への言い訳にうっかり流されてしまいそうなほど、LOOX P70T/Vは魅力的なマシンだ。
(編集部 橋本優)