本記事も収録 Linux magazine 2000年 2月号 1,390円 |
Q:LinuxのインストールCD-ROMから起動できない
A:古いマシンやCD-ROMドライブだと、CD-ROMからのブートはサポートされていません。マザーボードによっては、BIOSをアップデートすればCD-ROMブートが可能になるかもしれません。SCSI接続のCD-ROMドライブの場合、SCSIアダプタもCD-ROMブートに対応していなければなりません。
また、マザーボードのBIOS設定で、CD-ROMの起動順位をハードディスクより先にしておかないと、ハードディスクにあるOSが起動してしまいますので注意しましょう。
CD-ROMブートができなくても、悲観することはありません。インストールフロッピーを作り、これで起動すればよいのです。インストールCD-ROMの中に、インストールフロッピーのイメージファイルと、このイメージをフロッピーディスクに書き込むDOSプログラム(rawrite.exe)が入っているはずです。これらを使い、DOSかWindowsでインストールフロッピーを作成しましょう。
Q:LILOプロンプトがLIで止まって起動しない
A:LILO(LInux LOader)が、表示途中で止まるのにはいくつかの原因が考えられますが、Linuxを何度かインストールするうちに、不要になったLILOがMBR(マスターブートレコード)に残り、悪さをすることがあります。この場合はDOSやWindows 95/98で“FDISK /MBR”を実行して古いLILOを消します。
LILOは、Linuxを起動するときに、BIOSを使ってカーネルを読み出しますが、いにしえからの伝統を引きずったBIOSは、ハードディスクの1024シリンダ以降にアクセスできないのです。このため、カーネルが1024シリンダ以降の部分に配置されていると、Linuxを起動できません。近頃の大容量ハードディスクでは、この問題が起きることがあります。
ただし、シリンダが1024以上あるハードディスクでも必ず起動できなくなるわけではありません。カーネルが1023シリンダまでに収まっていれば起動しますが、カーネルの再構築をして、新しいカーネルが1024シリンダ以降に配置されるとLILOからの起動ができなくなります。
この問題を解決するには、カーネルを1023シリンダ以内に置くか、LILOを使わずにブートするしかありません。Red Hat Linuxなどでは、カーネルを/bootディレクトリに置くので、ハードディスクの前のほう(1023シリンダ以内)に10~15Mバイト程度のパーティションを作り、これを/bootにマウントすれば問題を回避できます。
このほかにも、LILOではなく、BIOSの制限を受けないブートセレクタを使う、あるいはフロッピーディスクからカーネルを読み出して起動するという回避方法もあります。
このような時のために、起動フロッピーは、できるだけ作るようにしましょう。
Q:ときどき起動にもの凄く時間がかかるのはなぜ?
A:Linuxでは、fsckというファイルシステムのチェックプログラムが使われています。これは、Windowsのスキャンディスクのようなものです。このfsckは、一定の回数ディスクをマウントすると起動時に自動実行されます。たとえば、Red Hat Linux 6.1では、ファイルシステムを20回マウントするごとにfsckを自動実行します。また、前回の終了時に正しくシャットダウンされていない場合も実行されるようになっています。チェックするパーティションが小さければすぐに済みますが、パーティションが大きくなるとそれなりに時間がかかるようになります。
また、メール配送プログラムのSendmailは、起動する際にDNS(Domain Name System)サーバに接続しようとします。このときにDNSサーバが見つからないとSendmailがタイムアウトするまで数分間待たされることになります。Sendmailを使わないなら、自動的に起動しないようにしましょう。