YouTubeタイアップ案件をジャンルわけすると、How to訴求動画とゲーム実況で全体の80%になります。
こちらの記事では、How to訴求動画の説明をしましたが、今回はブランディング訴求(プロダクトプレイスメント)を、事例を交えて紹介します。
プロダクトプレイスメント
映画やテレビの番組内で、広告主の商品を使い、さりげない形で訴求するというもの。
今回の場合は、コントやネタ的企画をメインとしていながら企業の商品・サービスのPRになっているものはプロダクトプレイスメントとして分類。
お笑い芸人強し! お笑いネタ×プロモーション
「How to」訴求動画、「ゲーム実況」動画は、YouTuberの独壇場ですが、昨今のトレンドでは「広告要素は残しつつも、ユーザーには動画コンテンツとして楽しんでもらいたい」という考え方が多くなっています。
漫才、コントなどのネタを公開しているお笑い芸人のYouTubeチャンネルが重宝されています。
もはや独走状態!ロバート秋山のクリエイターズファイル
昨年夏ごろから、ロバート秋山が架空のクリエイターを演じるコント動画「ロバート秋山のクリエイターズファイル」の人気に火がつきました。新作動画が公開されるたびに、情報番組で特集されています。
ロバート秋山のクリエイターズファイル
https://www.youtube.com/channel/UCJk8dZsM8SIGzIBJ-rDcB3Q
また、多くの企業タイアップに起用されました。いくつか紹介します。
サントリー「のんある気分」とのタイアップです。「のんある気分」の商品の魅力をストレートに表現せずに、ロバート秋山がのんある気分のCMを撮影する「CMディレクター」を演じています。
この動画が話題になり、シリーズ動画5本で240万回以上再生されました(2017年4月2日時点、サントリー公式チャンネルより。広告として再生も含まれている可能性があります)。
日産SERENAとのタイアップ案件です。クリエイターズファイルで名物キャラクター「トータル・ファッション・アドバイザー YOKO FUCHIGAMI」がSERENAについて語るWebムービーです。
「SERENAって今の若い子にいそうなモデルの名前じゃない? うちの事務所に入れてみれば?って言っていざ事務所に来たら、車だったの」
秀逸ですね(笑)
機能説明そっちのけで小ネタや名言が盛り込まれています。動画を観るだけで「SERENA」という車種名が印象づけられるのではないでしょうか?
徹底解剖!「お笑いネタ×プロモーション」動画ができるまで
上記の「お笑いネタ」を使ったプロモーションは、どのような流れでどのくらいの期間で制作されるのでしょうか? 実際の事例を基に解説します。
- クライアント:東武タワースカイツリー株式会社様
- 代理店:株式会社Dooga様(サイバー・バズグループ)
「修学旅行以外での若年ユーザーの来場を増やしたい」との与件で、よしもとエンタメダンスユニット「エグスプロージョン」とのダンスネタタイアップを提案しまし、決定後は以下の流れで進行しました。
1.オリエン
どのようなネタで、東京スカイツリー®の魅力を訴求するか協議します。
大切なのは「ネタ的要素」と「プロモーション的要素」のバランスです。ユーザーにはネタとして見てもらうことが重要なので、ただのプロモーション動画にならないことを意識します。
今回の場合は、東京スカイツリーのトリビア的な要素をネタにすることになりました。
- スカイツリーの高さって何で634mなの?
- スカイツリーって名前はどうやって決まったのか? …etc
答えは最下部の動画をご覧ください。
2.ネタ作成
エグスプロージョン本人と構成作家がネタが具現化します。ここはタレント・作家の真骨頂です。セールス担当者は、それがいかに面白いかを咀嚼しクライアントに伝えることが重要です。
3.収録、編集
カメラマン、照明などの制作スタッフが収録します。
普段からテレビ番組の制作に関わっているスタッフによって、スムーズな収録ができるのも吉本グループの大きな強みです。
また、編集完了後の認識違いやコンプライアンス的なNGを防ぐため、収録には代理店やクライアントに必ず同席してもらいます。
東京スカイツリー公式キャラクター「ソラカラちゃん」。キレキレのダンスをワンテイクで決めてきました! さすがです。
4.公開
YouTubeに公開です。
動画公開後、連携しているメディアにも掲載し、2次的な拡散を図ります。
また、クライアントHPへの掲載や、タレント本人によるSNS拡散などの協力によって視聴最大化を目指します。
以上が「お笑いネタ×プロモーション」動画制作の流れです。上記ステップを約2カ月かけて実施します。一般的なYouTuberタイアップよりは制作期間がかかりますが、ハイクオリティな動画を提供できます。
目的にあったYouTuber起用を
代理店の担当者から
- YouTuberはハンドリングが難しい
- 思っていた動画にならないことが多い(修正をしてもらえない)
などの声を聞きます。
タレントを起用すると、制作費がかかり、通常のYouTuberタイアップ案件よりも再生単価が高騰しますが、クオリティを保てます。再生数重視(リーチ・獲得)なのかクオリティ重視(話題化・ブランディング)なのかを事前に定めておくことが必要です。
(記事提供:D2Cスマイル)