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A4インクジェット複合機

レビュー:PIXUS MX7600

2008年07月14日 18時00分更新

文● 柴田文彦

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「PgR」が普通紙での階調性の高さを実現


 カラー画像を含む30ページのPDF文書をプレビューから普通紙に印刷するのにかかった時間は、標準設定の「一般的な文書」モードで5分37秒だった。このクラスの複合機としては速いほうで、クリアインクの塗布が速度に悪影響を与えていないのは明らかだ。

 また、純正の「光沢ゴールド」写真用紙に、「Adobe Photoshop Elements 6」からA4サイズの写真を「写真をきれいに」モードで出力したところ1分25秒、普通紙に同モードでは1分27秒、「一般的な文書」モードではわずか19秒だった。普通紙ではモードの違いによる画質の差は小さく、かなり実用的だ。ちなみに、給紙方法は、前面のカセットが普通紙専用で、後面のトレーははがき/写真用紙専用とした割り切った設計。普通紙は150枚、はがきは40枚までセットできる。

 写真用紙ではさすがに彩度の高い写真印刷が可能。クリアインクの効果で、普通紙に印刷した場合でも写真の階調性は高い。

純正の写真用紙での写真画質は、彩度も高く階調性にも優れており、繊細な表現だ(左、原稿を400%でスキャン)。写真画質を重視したモデルに比べるとインク粒径は大きいが、さほど気にならない。普通紙での写真画質には、クリアインクの効果が比較的はっきりと感じられる(右、原稿を400%でスキャン)。彩度は専用紙に劣るものの階調性はまずまずで、普通紙とは思えない微妙な濃淡を再現している

 クリアインクを外した状態で印刷した結果と比較すると、それがはっきりとわかる。

写真品質(普通紙/クリアインクなし、原稿を400%でスキャン)

タンクを外し、何枚か印刷してクリアインクを空にした状態で印刷した原稿を400%でスキャン。ピークの彩度は変わらないが、明らかに階調性が劣り、コントラストの強いつぶれた雰囲気の印刷だ


【Conclusion】
○  顔料インクの特徴をさらに際立たせるクリアインクを採用。速度は犠牲にせず、普通紙をその場で一種のコート紙に変えながら安定した画質を実現する。

×  ディスクレーベル印刷機能は備えない。最大解像度は4800dpi、最小インク粒径は2plで、写真印刷を重視したモデルに比べると専用紙の写真画質が見劣りする。

(MacPeople 2008年8月号より転載)


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