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柴田文彦の“GUIの基礎と実践” 第5回

柴田文彦の“GUIの基礎と実践”

ファイル表示のあれこれ

2008年03月02日 16時52分更新

文● 柴田文彦

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多くのバリエーションを持つファイル一覧表示方法

 GUIのひとつの特徴として、フォルダーやディレクトリーに含まれるファイルの表示方法に、多くのバリエーションを用意していることを挙げてもいいだろう。ターミナルなどを使うCUIでは、UNIXなら「ls」、DOSなら「dir」といったコマンドをタイプすることで、そのディレクトリーにあるファイルの一覧をファイル名のリストとしてテキストで表示する。この部分だけをとってもGUIとCUIの違いは大きい。

 GUIの一般的なファイル表示はアイコンによるもの。アイコンには必ずファイル名が付随している。ファイルもフォルダーも、アイコンのデザインが異なる以外、ほぼ同じ扱いで混在して表示するのも特徴的。現在のアイコン表示では、大きさや間隔を連続的に調整できるのが一般的だ。

 リスト表示は、表示方法やファイル名以外の情報を表示することも含め、CUIの一覧表示に最も近いスタイルと言える。ただし、個々のファイルが生きたオブジェクトとして存在している点はアイコン表示と同様で、CUIとは次元が異なる。

 階層構造を一望できるカラム表示はMacならではのもの。まったく同じものはWindowsにはないが、代わりにツリー表示とリスト表示を組み合わせた独自の階層表示方法を用意している。

 LeopardのCover Flow表示に至っては、Macの独壇場と言えるが、Windowsは、表示するファイルの種類に応じて機能が大きく変化する柔軟なウィンドウ機能で対抗している。

アイコン表示

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Macのアイコン表示では、アイコンのサイズと間隔をスライダーで連続的に調整できる。もはやあたり前のようになった表示方法だが、アイコンの下に少し離してファイル名を表示するスタイルも、実はMacが確立したもの

Mac vs Win

【Windows Vista】メニューの使用を極力避けているWindows Vistaだが、「表示ボタン」をクリックするとメニューが現れ、アイコンサイズとほかの表示方法を選べる。メニューなのにスライダーも使える


リスト表示

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】リスト表示では、ウィンドウの中に表示しているすべてのファイルに付随する情報を、選択の有無にかかわらず常に表示しておけるというのが大きなメリット。その場で階層表示も可能だ

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsのリスト表示でも、ファイルに付随する情報のうち、どの項目をリストに含めるのかをリスト上での右ボタンクリックで設定できる。その場でのフォルダー階層表示はできない


カラム表示

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】OS X以降のシステムならではの表示方法。深い位置にあるフォルダーの間を行ったり来たりしながら中身を閲覧したりするのにはすこぶる便利。Leopardでは表示オプションで並び順を名前以外のものにも設定できるようになった

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsにはもちろんカラム表示はない。リスト表示でもその場でフォルダーの中身を展開できないが、リスト表示のウィンドウの別のカラムにフォルダーの階層構造を表示できる


Cover Flow表示

Mac vs Win

【Mac OS X Leopard】Cover Flow表示では、下半分はこれまで同様のリスト表示となっており、表示オプションを見てもリスト表示の拡張版という位置付けであることがわかる。視覚的な効果は抜群で、「Finder」という名前にふさしい表示方法だ

Mac vs Win

【Windows Vista】Windowsは伝統的に多機能のファイル表示ウィンドウを備える。例えば写真ファイルが入ったフォルダーを開くと、ほとんどフォトビューアーソフトのような表示機能を発揮する


(次ページに続く)

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