マーティ・フリードマンも参加! 銀座に響いた熱いアコースティックサウンド
リポート:世良公則プレミアムライブ@Apple Store Ginza
2007年11月29日 02時03分更新
アップルの直営店「Apple Store Ginza」は25日、ロックボーカリスト世良公則のインストアライブを開催した。世良公則といえば、1977年のデビュー以来その力強いボーカルで30年にわたり日本のロックシーンをリードし続けるアーティスト。スペシャルゲストとしてギタリストのマーティ・フリードマンも参加し、同店3階の「Studio」が熱いサウンドスペースに変貌した。
今回のインストアライブでは、約20分にわたって4曲を披露。会場の「Studio」はステージと客席が非常に近いこともあり、ライブの迫力が直に伝わってくる。
まずは、最新アルバム「JACARANDA」にも収録されている「Days─デイズ─」と「あんたのバラード」だ。特に後者は1977年のデビュー時の曲だが、「30年前と今は違う。今歌う一曲は今しかない歌」と、その時々の自分自身に歌が密接に結びつく様を語る。
続く3曲目は、「打ち合わせにはなかった」というマーティ・フリードマンとのギターセッション。「マーティのギターはつい聴きたくなるよね。何か弾きだせば彼も何か弾き始めると思う」との言葉通り、とても即興とは思えないギタープレーが始まった。お互いがお互いをリードしながらせめぎ合う、見事なライブセッションだ。
ラスト1曲は、「'01年に初めてマーティと仕事をしたときに、ふたりでアレンジを考えて作り込んでいったうちの1曲」で、いわば「僕とマーティのフレンドシップの歌」という「少年」でライブを締めくくった。
パワフルで躍動感のあるライブのあとは、トークセッションだ。
ゲストのマーティ・フリードマンともどもヘビーなMacユーザーだといい、「GarageBandで音を入れてiDiskにアップロードしてほかの人と共有して──なんてことはMacがなければ考えられない。昔は海外だったらエアメールでテープを送らなきゃならなかったから」と、レコーディングでもMacを活用しているエピソードを披露。「デジタルだと音が薄いという人もいるけど、使い方によってはアナログテイストのいいところを引き出して、より感性を抽出したものができる」そうだ。そして、さらに会場を盛り上げたのは、ビデオの制作話。
最新アルバム「JACARANDA」の初回特典DVDにはプロモーションビデオのほか、米国ロサンゼルスでのレコーディング・ドキュメンタリーが収録されているが、その映像をiMovieで自ら制作したというのだ。
「夜中に自分ひとりでムービーを作ってる。Final Cutも持っているけど、結局、慣れ親しんだiMovieでやっちゃうね。iMovieで仕上げてみせるってちょっと意地になってるところもあるかな。でも、自分ひとりでiMovieで作ってるんだって考えてもらえると、少しひいき目見てもらえるかも」と、軽くおどけて見せた。ビデオ作品作りのコツは、何より「タイミングをピッタリ合わせるコマ計算」だとか。
実はこのインストアライブ当日こそが、デビュー30周年にあたる記念すべき日。最後の最後に、愛用のアコースティックギター「Gibson J-200」を描いた記念ケーキがサプライズとして登場。「記念日ということはまったく意識していなかったけど、今日はもともとオフの日で、レーベルの人がこのライブの話を振ってくれなければきっと家で寝てたと思う。来てくれた皆さん、スタッフの皆さん、そしてマーティもありがとう。ピックを割りながら演奏して本当によかった」と感想を述べた。
全国のアップル直営店(Apple Store)ではインディーズから、今回の「世良公則プレミアムライブ」のような大物まで、バラエティーに富んだライブが頻繁に開催されている。もちろん、入場は無料。しかも、会場自体がコンパクトなので非常にアーティストを身近に感じ取れる。気になる人は、イベントスケジュールをチェックしてみよう。