(株)日立製作所は23日、世界最薄という厚さ35mmを実現した液晶テレビ「Wooo」(ウー)3モデルを発表し、都内で発表会を開催した。全機種とも価格はオープンプライス。
液晶モジュールは20mmの薄さ
ラインナップは、32V型ワイド「UT-32HV700」(想定実売価格23万円前後、12月発売)、37V型ワイド「UT37-XV700」(同33万円前後、2008年2月発売)、42V型ワイド「UT42-VX700」(同43万円前後、2008年4月発売)の3モデル。本体カラーは、32V型ワイドのモデルが、ブラック、ホワイト、レッド、ブルーのカラーバリエーションモデルを用意(レッドとブルーは限定生産)。そのほかのモデルはブラックのみとなる。
液晶パネルは、UT-32HV7000が1366×768ドット表示の「IPS α」パネルで、秒間60コマ駆動となる。UT37-XV700は1920×1080ドット表示の「フルHD IPS α」パネルを採用し、120コマの倍速駆動が可能。UT42-VX700は1920×1080ドット表示の「IPS」パネルを採用し、120コマの倍速駆動となる。IPS α/フルHD ISP αパネル採用モデルでは、178度の視野角で見ても100:1のコントラストを実現するという。ちなみに通常(正面から見た場合)のコントラスト比は1万:1となる。
すべてのモデルで39mm(最薄部が35mm)の厚さを実現。液晶モジュール自体の厚さは20mm程度だという。この薄さを実現するため、バックライトの光を効率的に行き渡らせる「拡散板」を開発し、蛍光管と拡散板、フロントパネルの間を縮めた。さらに従来比で3分の1という薄さを実現した電源基板を新たに開発。そのほか、大型サーバーに取り入れられている新しいファンレス冷却技術や、パネルのねじれを防止する新しい薄型軽量フレームの採用により、モジュールの薄型化を実現した。
機器連携機能「Wooo リンク」も搭載
Woooではテレビ本体にチューナーや映像/音声入出力を内蔵せず、外付けの「Woooステーション」に搭載する(上記価格にはWoooステーションおよびスタンドが含まれる)。付属するWoooステーションは3モデルとも共通で、HDMI(1080p、30/36bit Deep Color信号対応)×3、コンポーネント(D4)×1、コンポジット/Sビデオ×1といった入力インターフェースを備える。特にHDMIは機器連携が可能な「HDMI CEC」に対応し、Woooステーションに接続したHDMI CEC対応機器との連動動作が可能となる(例えばリモコンでWoooの電源をオフにすると、Woooステーションに接続されたHDMI CEC対応のHDDレコーダーの電源もオフになる、など)。そのほか、「iVポケット」と呼ばれるスロットにリムーバブルHDDの「iDVR-S」を挿入することで、ハイビジョン番組を録画できる。チューナーはデジタル(地上/BS/110度CS)とアナログを各1つずつ内蔵している。
UWBでワイヤレス接続も可能
Wooo本体とWoooステーションはHDMIケーブルで接続するが、この間を無線化する「ワイヤレスユニット」を別売(想定実売価格9万円前後)で用意する。無線方式は4.2~4.8GHz帯のUWB(Ultra Wide Band)で、変調方式は「MB-OFDM」。最大9mまで離して設置することができるという。
発表会では、同社執行役常務でコンシューマ事業グループ長兼CEOの江幡 誠氏が「(日立は)プラズマテレビには力を入れている」ものの、「液晶テレビは他社製品との差別化ができていなかった」とし、今回の新製品の特徴である「薄型」に社内リソースを集中したことを明かした。その上で「薄型のテレビは日立がリードする」と意気込んだ。