月刊アスキー 2007年12月号掲載記事
松下電器産業は、環境共存を目指す、「ecoideas」戦略を発表し、2007年度から取り組んでいる中期経営計画「GP3計画」において「収益を伴った着実な成長」とともに「すべての事業活動で環境負荷を削減する」ことを取り組みテーマに加えた。
大坪文雄社長は「グローバルエクセレンス企業への挑戦権獲得に向けては、環境対応は不可欠な要素」と語る。具体的目標として、生産活動におけるCO2排出量を、2006年度の398万トンから、2009年度までに368万トンへ削減する。
中国市場において同社は、「中国環境貢献企業宣言」を発信。高い環境性能を有する製品づくり、製造事業現場における環境負荷低減、従業員の環境意識の向上とエコ活動の展開の3点から、中国における環境保全活動に取り組む。
また、2007年4月以降、中国市場向けの全製品において省エネ性能でトップ水準を獲得するとした。 さらに、松下電器では、世界自然保護基金(WWF)が取り組んでいる「黄海エコリージョン」を支援。今後7年間に渡り、1億7000万円の資金を援助することを発表している。
黄海エコリージョンは、黄海、渤海、東シナ海の一部を含めた約46万平方キロメートルの海域を、生物多様性を維持するための活動を行うエリアと定め、日本の領域内の3カ所を含む、23 の優先保全地域を対象に、黄海の海洋生態系の保全を図る。
黄海エコリージョンの対象地域をはじめとする中国地域には、松下電器の拠点が約80カ所ある。また、松下グループにおける全世界でのCO2排出量は微減傾向にあるものの、日本・中国の排出量比率が上昇傾向にあるのが実態であり、重点的に取り組む姿勢を見せたともいえる。
松下電器は、製品、拠点、そして従業員という観点から環境活動に取り組むことで、グループ全体の環境活動を促進。世界最先端の環境企業を目指す考えだ。