上部には、ステレオ収録可能なマイクとズームレバーがある。ズームは、動画のプレビュー時にボリュームとしても機能する。また、上部のフタをあけると、アクセサリーシューもついている。シューを省略しなかったことは評価したい。
加えてフォトボタンがあるが、このボタンはくせものだ。動画撮影時にフォトボタンを押すと、静止画モードに変更する旨のアラートが出る。つまり、動画撮影を継続しながら静止画の撮影はできないので注意したい。また、動画撮影モードと静止画撮影モードはモード変更時に数秒待たされるため、頻繁に切り替えて使用するといった使い方は現実的ではないだろう。ただ、今回使用したのは試作機であるため、製品版ではレスポンスが上がっている可能性はある。
下部には、SDメモリーカードスロットと、三脚穴がある。ということは、つまり三脚使用中はSDメモリーカードを取り出せないということでもある。
背面は、バッテリー取付部分や電源ボタンなどが並ぶ。バッテリーは小さいが“HXモード”(最高画質モード)でBDに約1時間30分(電源を入れたり切ったりするなどの通常使用で約45分)記録でき、まずまずなスタミナがある。別売りの大容量バッテリー“DZ-BP21SJ”を使うことで1.5倍ほど撮影時間を延ばせる。バッテリーを使わずに直接本体に電源を供給する場合は、付属のバッテリー充電器に電源ケーブルを接続し、その電源ケーブルをカメラに接続することになる。電源ケーブルのカメラ側の端子はバッテリーと同型の形状をしており、これをバッテリー取り付け部に接続する。なお、本体に電源を供給している間は、充電器にバッテリーを設置しても充電は行なえない。
DVDの約4倍、驚愕のBDの記録時間
記録媒体は、HDD、BD(BD-R/RE)、DVD(DVD-R/RW/RAM)があるが、DVDはSD(スタンダード画質、720ピクセル×480ドット)でしか記録できない。そのため、ハイビジョンでの記録はHDDかBDとなる。最高画質であるHXモードでもHDDで4時間、BDでも1時間と従来のDVDモデル(最高画質で片面一層メディアに約30分)に比べると飛躍的な記録時間を実現している。記録フォーマットは、BD記録時はMPEG-4 AVC/H.264となり、DVDへSD画質で記録する際にはMPEG-2となる。ちなみに、DZ-BD7Hで映像を記録したBD-REメディアを『プレイステーション 3』(PS3)で再生できるか試してみた。PS3はスロット式のドライブを採用しており、8cmメディアがうまく挿入できるか心配だったが、実際には何の問題なく映像を再生することができた(ただしメーカー保証外となる)。
静止画はSDメモリーカードにしか記録できず、さらに“SDHC”には非対応だ。とはいえ、2GBのSDメモリーカードに2400ピクセル×1800ドットの解像度で、約800枚ほど記録できるので、十分な量が記録が可能だ。
HDDとBDのハイブリッドビデオカメラの活かし方
フルハイビジョンで長時間録画可能なDZ-BD7Hは、ちょうどHDDでSD画質の動画が長時間記録可能になった頃と同じような衝撃をハイビジョンモデルに与えるのではないだろうかという気がしている。従来のハイビジョンビデオカメラは、「綺麗だけど記録時間は少ないよね」というイメージがあったが、単純に4倍の記録容量を持つBDを搭載することで、記録時間に関するデメリットはなくなったように思える。加えて、本機はひとまずHDDに記録しておき、必要なものだけをBDに移すというスタイルでの撮影ができるため、BDの記憶領域を有効に使えるだろう。
ハイビジョンの編集は、パソコンで行なう場合もなかなかのスペックを必要とするので、カメラ側でできてしまうのは助かる。ハイビジョンビデオカメラに乗り換えたかったけど、記録方法がちょっと、と思っていた人にはうってつけの製品と言えるのではないだろうか。