既報のとおり、松下電器産業(株)は1日、1920×1080ドットのフルハイビジョン映像を記録できるビデオカメラ3機種(関連記事)を発売すると発表した。ラインナップは、記録メディアにSDメモリーカードを採用した横型の『HDC-SD5』と縦型の『HDC-SD7』、記録メディアに8cmDVDディスクとSDメモリーカードの双方を採用した『HDC-SX5』となる。同日、東京・有明のパナソニックセンター東京で行なわれた記者発表会では、記録メディアにSDメモリーカードを採用するメリットなどを挙げながら、今後の市場規模などの予想が述べられた。なお、各製品の仕様や価格については、(ニュース記事)を参照していただきたい。
記者発表会の冒頭では、パナソニックマーケティング本部副本部長の平原重信氏が記録メディアにSDメモリーカードを採用するメリットについて、「SDメモリーカードは、今年度中に16GBのものを、来年(2008年)までに32GBの容量のものを発売する予定。容量も大容量化になり、記録メディアとしてミニDVテープやDVD、HDDの弱点を克服する。特にカメラ本体がメカレスとなり、本体の小型化や軽量化が可能なほか、ほこりや結露、耐衝撃性の向上を期待できる」と説明した。
今日発表の3機種は、撮像素子やレンズなどの主な仕様はほぼ共通で、いずれも今年4月に発表された『HDC-SD3』(関連記事)の後継モデルという位置付けになる。HDC-SD7に関しては、1080i方式のビデオカメラとして、世界で最小最軽量(1日現在、同社調べ)だという。
記者発表会場で、パナソニックAVCネットワークス社ネットワーク事業グループのムービー商品技術センター所次長の榊原和仁(さかきばらかずひと)氏に、後継モデルとしての強化点を聞いたところ、「HDC-SD3からレンズ径を43mmから37mmに、撮像素子を1/4インチから1/6インチに小型化したことにより、本体をより小型・軽量化できた。さらに、撮像素子の小型に合わせて映像処理エンジン“HDクリスタルエンジン”を改良したことにより、絵全体に対してしか調整できなかったコントラストが、画素単位でそれぞれ調節できるようになった(“コントラスト視覚補正”機能)」とコメントした。
また、「従来モデルに搭載していた光学式手ぶれ補正は1秒間に480回の検出を行なっていたが、新機種では1秒間に4000回検出するようになった。これは同社のコンパクトデジタルカメラ“LUMIX”(ルミックス)シリーズと同様のものとなる」とも説明した。
3機種に共通して付属する、パソコンへのファイル取り込み用ソフト“HD Writer”についても説明を加え、「バージョンが2.0に上がりました。バージョン1.5からMPEG-2への変換(AVCHD形式からの)が可能になったんですが、バージョン2.0からはMPEG-2に変換したデータをパソコンのDVDドライブでDVD-Videoとして焼ける機能を追加した。また、パソコンに取り込んだ映像の確認はプレビュー表示しかできなかったが、フルサイズでの表示ができるようにもなった」と述べた。