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SNSは「招待される」から「自分で作る」時代に

SNS構築サービスと 有力個人サイトが タッグを組む理由

2007年06月06日 00時00分更新

文● 村山剛史(編集部)

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月刊アスキー 2007年7月号掲載記事

Lady nanoty

「Lady nanoty」: 個人で独自のSNSが無料構築できる「ナノティ」の女性限定版。ナノティはSNSを「Small Network Service」と定義し、「身近な人とより身近になれるコミュニティーサービス」を志向する。

恋愛専門ドットコム

「恋愛専門ドットコム」: 生命科学分野で理学博士号を持つ「ぐっどうぃる博士」が2004年に開始。現在はボランティアとの共同運営。Lady nanotyと連携することで恋愛専門ドットコムの会員用マイページに参加SNSの情報が掲載される。また、設定を行えば恋愛専門ドットコムからSNSへのシングルサインオンが可能になる。

 総務省は昨年4月、SNSの登録者数が2006年3月末の時点で716万人に達したと発表した。2005年9月末に実施された同様の調査では399万人だったことを考えると、たった半年間で登録者数は倍増したことになる。

 このような個人向けSNSの隆盛を追う形で、顧客の囲い込みやグループウェアの代替を謳う企業向けSNS構築が盛んとなっている一方、個人が自由にSNSを構築できる無料サービスも流行の兆しをみせている。

 そのひとつ、「nanoty(ナノティ)」は、去年6月に一般公開されたSNS無料構築サービス。一人で複数のSNSを構築可能な他、それらを一括管理できることなどを特長としているが、今年4月、新たに女性限定SNS構築サービス「Lady nanoty」を開始すると共に「恋愛専門ドットコム」との連携を発表した。

 恋愛専門ドットコムは女性の恋愛相談を受け付けるコミュニティ型サイトで月間156万PVのアクセスを誇る。管理人と共に運営するボランティアスタッフのひとりであるフォーワンファーストの井上晋助取締役は、「恋愛専門ドットコムはサイト滞在時間が長く、読者同士のコミュニケーションも活発で、なによりほとんどが女性です。実はSNSの導入も独自に構想していたのですが、ちょうどナノティ様と知り合い、サイト連携の話が持ち上がりました。そのなかでLady nanotyのアイデアも提案させていただきました」と語る。ナノティでは恋愛専門ドットコムとの連携によって、4割程度に留まっていた女性会員の増加を期待しており、「年内に10万人の会員獲得を目指す」とする。

 SNS構築サービスはその性格上、すでに閉じられた少人数コミュニティでの利用が前提となるため、一サービスによる寡占化の可能性は低い一方、大量の会員獲得もまた難しい。そこで今回のような、人気サイト/アルファブロガーとの連携が実現すれば、それらが抱える数万~数十万人のファンをそのままユーザーとして獲得できる。また、サイト運営者もさらなるコミュニケーション手段が手に入る。SNS構築サービス隆盛のカギはアルファブロガーが握っている、とみるのは早計だろうか。

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