独イノテック(InnoTek)社は23日、インテルMac用の仮想マシンソフト『VirtualBox(バーチャルボックス)』のパブリックβ版を公開した。同社のウェブサイトより無償でダウンロードできる。
イノテックは元々OS/2関連のソフト開発を行なっていた企業で、過去には米コネクティクス(Connextix)社と共同でOS/2ホスト版のVirtual PCを開発していた。
今年1月にはVirtualBox(クローズドソース版)のWndows版とLinux版を公開、同時にソースコードをオープンソース化し、GPL(GNU General Public License )として公開した。なお、オープンソース版はUSBや共有フォルダーといった機能が省略されているが、クローズドソース版も個人利用や評価目的であれば無償で利用できる。
これまでもオープンソース版のソースコードをMac OS X用にビルドすることで、インテルMac上で動作させることはできたが、GUIや動作を高速化させるホストドライバー(カーネル拡張)が利用できなかったため、実用的とは言えないレベルであった。
今回のパブリックβでは、これらのGUIやホストドライバーをサポート。ネットワーク機能は、NAT(IPアドレスの変換機能)のみを用意する。USBやオーディオ入力、VT-x(CPUの仮想化支援機能)といった機能は実装されていないが、最初のパブリックβとしてはまずますの出来と言えるだろう。
今後開発が順調に進めば先行する『Parallels Desktop』や『VMware』に匹敵する、第3の選択肢となりうる可能性を秘めている。特に個人利用や評価目的であれば無償で利用できるメリットは大きく、先行製品の価格や戦略に影響を与えることになるかもしれない。