11日に東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開幕したFPD(フラットパネルディスプレー)の最新製品の展示会“第3回 Display 2007”において、2日目(12日)の特別招待講演に登壇したソニー(株)の取締役代表執行役副社長の井原 勝氏が、11インチ有機ELテレビは年内に発売すると明言した。
年内発売の意向が表明された11インチ有機ELテレビの有機EL材料には、同社PDA端末などの製品にも採用してきた低分子タイプのものが採用されると決定している。同展示会にも出展されている27インチテレビについては、発売時期や採用する有機EL材料(低分子タイプと高分子タイプのどちらか)を含めて一切が未定という。国内最初となる有機ELテレビの年内発売の背景として、同社は2005年11月に出光興産(株)と有機ELディスプレーの共同開発に合意し、2006年より有機EL材料の開発を行なってきた経緯がある。なお、今回出展されたもの(関連記事)は製品版ではなく、仕様を含めた正式な製品発表の時期はまだ未定となっている。
また、同じく会場に有機ELディスプレーを出展している(株)東芝に、有機ELテレビの発売予定を聞くと、「出展している21インチの有機ELディスプレーには高分子タイプ有機EL材料が使われてきており、大型化に向いている点や生産ラインに液晶ディスプレーのインフラを望める点があるが、まだまだコストの面で量産は難しい」と述べた。なお、東芝は有機EL材料の開発そのものには着手していない。