VT-xの効果がビデオ性能に現われた
さて、気になるパフォーマンスをチェックしてみよう。ベンチマークテストには、EP82改/かず氏作のフリーウェア『HDBENCH Ver3.40 beta6』(外部リンク) を使用。17インチiMac-1.83GHzにParallelsとWindows XP Professinal SP2をインストールし、メモリーを512MBを割り当ててフルスクリーンで表示した。
テストは、標準状態と、環境設定でVT-xを無効にした状態で測定している。参考値として同じiMacにメモリーを512MB搭載し、Boot Camp上のWindows XP Professinal SP2でも計測した。
HDDの読み書き速度では、Boot CampよりParallelsのほうが高い値を出しているが、これは体感に即したものではない。ディスクイメージファイルを利用しているためか、HDBENCHのHDDテストでは仮想マシンのほうが高い値を出す傾向があるようで、単純にParallelsのほうが高速とは言い切れない。
その他の項目についてはBoot Campのほうがいい結果が出ており、こちらのほうは実際の操作感に近い。VT-xを無効にした場合、ビデオ性能が低下することが分かるが、これはVT-xにより仮想ビデオカードの性能が向上するのではなく、前述のようにI/Oデバイスにアクセスする際の特権命令の処理が高速化されたためと推測される。
“Parallels Compressor”でファイスサイズを減らす
続いてリリース候補2で追加された“Parallels Compressor”機能を試してみた。ゲストOSとしてWindows 2000/XP/Server 2003を使用している場合、仮想HDDとして使用しているディスクイメージファイルのサイズを最大50%以上圧縮し、かつ仮想HDDのアクセス速度を向上させるというものだ。
“VM”メニューから“Run Parallels Compressor”を実行すると、ウィザードが起動するので画面の指示に従い実行すればよい。途中で一度仮想マシンの再起動が必要となる。
Parallelsのディスクイメージファイルは容量可変となっており、ゲストOSでの使用状況に応じて作成時に指定した最大サイズまでファイルサイズが増加する仕組みだ(容量固定とすることも可能)。
筆者の環境で調べたところ、最大サイズが7.79GB(8000MB)で3.17GB使用している仮想HDDでは、ディスクイメージファイルの実サイズが4.32GBだった。これをParallels Compressorで圧縮すると、2.2GBとほぼ半分にまでファイルサイズが減った。
HDBENCHでテストしたところ、HDDの読み書き速度では向上は見られず、ランダム書き込みではむしろ低い値となったが、Mac miniやMacBookなど、ハードディスク容量の少ない機種ではディスクイメージファイルの圧縮機能は有効だろう。
次回はParallels上のWindows XPで、Windows用のアプリケーションや周辺機器が動くかどうかチェックする。