メディア芸術の未来を背負う学生たちに“期待大”!!
“第12回学生CGコンテスト”受賞作品展&贈呈式レポート
24日には文化庁メディア芸術祭の協賛事業で、CG-ARTS協会の主催による“第12回学生CGコンテスト”受賞作品展&贈呈式が東京都写真美術館1Fホールにおいて開催された。小学生から大学院生までの幅広い層から1014点の応募作品が集まった。
その中から、静止画部門/動画部門/インタラクティブ部門の3部門にそれぞれ最優秀賞1作品、優秀賞2作品、佳作5作品、そしてU-18賞1作品が選ばれた。それぞれの作品にCG-ARTS協会理事長の永田圭司氏より賞状が、各部門の審査委員より副賞が手渡された。
受賞作品は以下の通り(敬称略)。
【静止画部門】
デジタル技術を使って制作されたグラフィック作品
- 最優秀賞
- ROCKET(中江昌彰)
多摩美術大学情報デザイン学科卒業 - 優秀賞
- inorganic(くらた ゆりえ)
多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科4年
Quantum Region(粕谷 環)
東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース4年 - 佳作
- mellow(加藤玲子)
東北芸術工科大学デザイン工学部情報デザイン学科映像コース卒業
殻(内田達也)
東京造形大学造形学部メディアデザイン専攻4年
おでん?(國分百子)
福島県立郡山商業高等学校会計科3年
Medallions(高山 穣)
九州大学大学院先導的デジタルコンテンツ創成支援ユニット博士後期課程3年
倒錯としての虚像(前田 昂)
東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科・デザイン工学専攻2年
【動画部門】
コンピュータで制作、または実写をデジタル加工・編集した映像作品
- 最優秀賞
- nakedyouth(宍戸幸次郎)
東北芸術工科大学情報デザイン学科4年 - 優秀賞
- Mix A Miniascape(早瀬交宣/山田淳平(音楽))
武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業
PIECE(小柳祐介)
東京藝術大学大学院デザイン学科1年 - 佳作
- La Magistral(山川 晃/宍戸幸次郎(音楽))
東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科・デザイン工学専攻2年
sous(高橋三紀子)
京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻造形構想2年
電信柱のお母さん(坂元友介/木内絵美子/石村侑美/舟橋千佳)
東京造形大学デザイン科4年
扉(山崎伸浩)
デジタルハリウッド本科CG・映像クリエイター専攻卒業
雲散霧消(早川貴泰、泉 かおる(音担当))
情報科学芸術大学大学院メディア表現研究科メディア表現専攻2年
【インタラクティブ部門】
デジタル技術を使って制作された対話性のある作品
- 最優秀賞
- String oscillation(野口久美子)
多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業 - 優秀賞
- Ambient Air Texture(野上大輔)
多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業
Light Tracer(WILLIS Karl D.D.)
筑波大学大学院芸術研究科1年 - 佳作
- Cubie(藤岡 定/三分一修)
九州大学芸術工学府ADCDU2年
microanima(徳田若菜)
九州産業大学写真学科研究生
言琴(須藤静子)
東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科メディアサイエンス専攻2年
まじかるSPLASH(柿原利政/溝口敦士/桜井快勢/瀬井大志/大内 農/谷本隼飛/Gill Van Herzele/瀬崎勇一)
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士課程1年
文細工(北川祐希)
尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科3年
また、18最以下を対象としたU-18賞には、さまざまな表情や形を持った“おばけ”に囲まれた楽しい世界を描いた、中学生の石川真綾さんの“おばけ横丁”が選ばれた。
文化庁メディア芸術祭に先駆けてスタートした“学生CGコンテスト”は、今回で12回目を迎えた。若い才能の発掘とその才能を広く紹介することを目的に、毎回第一線で活躍する優秀なクリエイターを輩出するなど、メディア芸術祭のプレコンテストの役割を果たしており、名実ともに日本のデジタルコンテンツを支えるインキュベート的なイベントになっている。しかし、年々レベルが向上しており、すでにメディア芸術祭との明確な違いを見いだすことが難しい域にまで達しつつあり、制作業界関係者はむしろこちらを注目する傾向にある。今回の作品群を見ても、これからのメディア芸術の10年が楽しみだ。