Macの展示会“Macworld Conference & Expo/San Francisco 2007”の開催までついに半日を切った。イベントの幕開けを飾る米アップルコンピュータ社CEO、スティーブ・ジョブズ氏の基調講演は、米国時間の9日午前9時、日本時間の9日深夜(10日午前2時)の開始となる。
今回、Macworld Expo史上、初めて基調講演会場として使われるモスコーンセンター・ウェスト(Moscone Center West)の前には、前日夜9時から行列ができ始めた。
行列の先頭はアリゾナ州ツーソンから「初めての有給休暇を使って参加した」という男性。「これ以上の有給休暇の使い方はない」とうれしそうに語った。
2番目は、元アリゾナで現在はサンフランシスコに在住の銀行員で、2人は友達だという。2人は一緒にアリゾナ州のApple Storeのオープニングなどにも並んだと言う。それに続く3人目は、南米のチリからわざわざやってきたという男性。最初の2人と一緒に徹夜の行列を作る中、友達になったそうだ。
前日午後10時30分の時点で約15人が行列に並んでいたが、アップルはこの行列がさらに長くなることを見越しているようで、モスコーンセンター・ウェストの側、4th Streetの路上には“Keynote Line”(基調講演の行列)と書かれた立て看板が80m以上に渡って点々と置かれている。
マスコミ関係者は、これら一般の参加者とは別に入場口がもうけられているが、それらマスコミに対しても、遅くても開場の2時間前には並んだ方がいいという勧告が出ている。今回のExpoの盛り上がりぶりはとにかく異様だ。
もっとも、講演会場変更の影響で、例年、徹夜組が並ぶモスコーンセンター・サウス(Moscone Center South)の前はガランとして、ただMacworld Expoの垂れ幕だけが目立っていた。ちなみにの垂れ幕によれば、2008年の開催は1月14〜18日だそうだ。
iPhone? 新iPod? 事前のウワサを総括
モスコーンセンター・サウスには、基調講演と並ぶ明日のビッグ・イベントの案内も置かれている。Macworld Expo参加者向けの巨大パーティー“BLAST! ATTENDEE PARTY”の案内だ。
このイベント、スポーンサーには、普段ライバルと目されている米グーグル社と米マイクロソフト社を始め、雑誌“Macworld”、米エクストリームマック(XtremeMac)社、英エレクセン(Eleksen)社などが名を連ねている。
グーグルとマイクロソフトが共同でスポンサーし、しかも、それがMacのイベントだというのだから、業界通の人にはなんとも奇妙に見える。
ちなみに、これらイベントスポンサーのうち、マイクロソフトからは次期Mac版Officeの詳細が、エレクセン(外部リンク)からはiPodなどのディスプレー機能を備えたメッセンジャーバッグが、エクストリームマック(外部リンク)からはLUNAと呼ばれる新型iPodスピーカーが発表される予定だ。
さて、気になる明日の講演だが、ある情報筋からは、会場内のある場所に、すでに明日発表の新製品が8〜9つ並べられていたという情報が得られた。また、別の情報筋は、例年同様、会場内のアップルブース全体が黒いカーテンで覆われていてガードマンが周囲を固めているため、製品が何かわからなかったと語ってくれた。
これまでMacworld Expoでは、常に噂系サイトとアップルとの間で、新製品情報が事前に漏れる/漏れないという攻防があったが、今回、アップルは物量作戦で来るのかもしれない。ただし、アップルは基調講演ではほとんど紹介せず、プレスリリースだけで新製品の発表を済ませるケースもあるので、すべての製品が明日の基調講演で出るとは限らない。
予想される製品として現在、インターネットのウワサとして上がっているのは、Mac OS X “Leopard”、アップル製の携帯電話機“iPhone”、iTV、IEEE 802.11nベース(!?)の新しい小型無線LANアクセスポイント、新型のiPod(またはiPodのような製品)、iLife '07、iWork '07――といった感じだ。iTVなど、製品の中には基調講演で発表されても、すぐに発売しないものも多いといわれている。
ウワサは製品だけにとどまらず、今回の基調講演はまったく新しい発表スタイルで行なうという話まで出ている始末。いずれにしてもあと数時間後に真実は明らかにされる。