ASCII倶楽部

このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

Ryzen 5で組む! 自作入門用格安PC (1/7)

2017年04月29日 13時00分更新

文● 加藤勝明 編集●北村

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2017年4月11日、AMDのZenアーキテクチャーを使用したミドルレンジCPU「Ryzen 5」シリーズの発売が開始された。

 11日は上位であるRyzen 5 1600Xおよび1600、中3日あけた15日に下位の1500Xおよび1400の流通が開始という変則的な出だしとなったが、11日は深夜販売にも関わらず秋葉原のショップに人が集まるなど、AMD製CPU販売イベントとしては3月のRyzen 7に次ぐ盛り上がりをみせた。

 今回のRyzen 5も“同価格帯の競合CPUよりコア数が多くて速い”ことを売り文句にしている。まずはRyzen 5は7に比べるとどの程度の性能なのか? 競合するインテル製CPUに比べ速いのか? などをさまざまな角度から検証してみたい。

今回入手したRyzen 5 1600X(左)および1500X(右)

同価格帯ならインテル製よりコア数が多い

 まずは、Ryzen 7と5(この後テストするものだけを抜粋)のスペックをチェックしてみよう。Ryzen 5のTDPは95Wと65Wだが、95Wなのは最上位の1600Xのみとなる。さらにRyzen 7 1800XとRyzen 5 1600Xのクロック設定は同じである点に注目だ。

 なお、XFRはX付きでないCPUでも効くが、Xの付かないCPUでは“効きが悪い”という意味で△にしている。

Ryzenのスペック表
型番 Ryzen 7 1800X Ryzen 7 1700 Ryzen 5 1600X Ryzen 5 1600 Ryzen 5 1500X Ryzen 5 1400
コア数/スレッド数 8/16 8/16 6/12 6/12 4/8 4/8
ベースクロック 3.6GHz 3GHz 3.6GHz 3.2GHz 3.5GHz 3.2GHz
ブーストクロック 4GHz 3.7GHz 4GHz 3.6GHz 3.7GHz 3.4GHz
XFR
2次キャッシュ 4MB 4MB 3MB 3MB 2MB 2MB
3次キャッシュ 16MB 16MB 16MB 16MB 16MB 8MB
TDP 95W 65W 95W 95W 65W 65W
付属クーラー なし Wraith Spire なし Wraith Spire Wraith Spire Wraith Stealth
実売価格 6万円前後 4万1000円前後 3万3000円前後 3万円前後 2万5000円前後 2万2000円前後

 ポイントとなるのは先行発売されたRyzen 5 1600Xおよび1600が6コア12スレッド、15日より流通開始の1500Xと1400は4コア8スレッドとなっている部分だろう。これまでインテル製CPUで実売3万円前後といえば、4コア8スレッドの下位モデル、もしくは4コア4スレッドCPUしか選べず、6コア12スレッドCPUは予算が倍近く違ってくるX99プラットフォームにしかなかった。だが今回Ryzen 5の登場によって3万円台でも6コア12スレッド環境が手に入るようになった。

 メモリーやXFRまわりの構成はRyzen 7と共通。そしてなによりうれしいのは全製品が倍率ロックフリーであるということ。インテル製CPUではごく一部の製品にしか許されないオーバークロックは、RyzenではどのCPUでも許されているというのはうれしいかぎりだ。ただオーバークロックするためにはX370マザーかB350マザーを使う必要がある。

「CPU-Z」を使ってRyzen 5 1600Xと1500Xの情報をチェックしたところ

Ryzen 5 1600Xを装着してタスクマネージャをチェック。3万円ちょっとのCPUで12スレッド使えるのはいい時代になったものだ。全コアに負荷をかけると、おおよそ3.6GHzで稼働する

Ryzen用に最適化された電源プラン

 これまでAMDはRyzenのベンチにあたっては電源プランを“高パフォーマンス”にすることを推奨してきた。だが今回のテストでは、AMDがRyzen用に最適化した“Ryzen Balanced power plan”を使用している。

 OS標準の“バランス”プランだと、CPUの動作ステート(クロックや電圧などに影響する)をアイドル状態から高パフォーマンス状態に切り替える際にわずかなタイムラグが生じるという。ワットパフォーマンスを向上させつつ、性能低下を最小減に押さえるのが“Ryzen Balanced power plan”なのだ。

 この電源プランの導入は至極簡単だが、現在のところ英語オンリー。そこでここでは導入方法を簡単に解説する。ただし現状のところこの電源プランの導入は自己責任なのでそこだけは注意してもらいたい。

まずはAMDのブログにあるこのページを開く。「The AMD Ryzen Balanced power plan」という見出しのすぐ下にあるリンクからZipファイルが落とせる

Zipファイルの中身を解凍してもこんな雑なアイコンしか出てこないが、これをダブルクリック。

ダブルクリックするとこのような警告が出現。ここで「はい、追加する」を選ぶとインストールが続行される

電源オプションを開き電源プランが“AMD Ryzen Balanced”になっていれば導入終了だ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

カテゴリートップへ

ASCII倶楽部の新着記事

会員専用動画の紹介も!