絶対行きたい! この街のあの名所 第80回

“絵になる街”函館市で、シャッターを切りたくなる紅葉にうっとり♪

文●越智龍二 イラスト●サタケシュンスケ

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 津軽海峡、太平洋に面した北海道南部に位置する函館市。日本最初の国際貿易港としても知られる港町はイカやウニなどのおいしい海鮮が名物ですが、外国の影響を受けた異国情緒あふれる街並みや、海と山に挟まれた独特の地形が生んだ坂道などのロケーションに優れ、これまでに多くの映画やドラマ、CMの舞台にもなってきました。

 そんな“絵になる街”には、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン改訂第2版」に三つ星として紹介されている函館山からの眺望など、絶景スポットも多数そろっていますが、気温が下がり、市内の木々が色づく時期になると、絶景スポットの数々も秋の装いになります。今回は、北海道で唯一の国指定文化財庭園となる「香雪園(こうせつえん)」、日本の道100選にも認定された美しい「大三坂(だいさんざか)」の紅葉をご紹介。どちらもほかでは見られない美しい紅葉に、思わず写真を撮りたくなるはずです。

ライトアップされた夜の園内は日中とは異なる幻想的な雰囲気に

見晴公園 名勝旧岩船氏庭園(香雪園)

 函館随一の紅葉の名所として知られるのが、約13.3haにも及ぶ「見晴公園」内にある風景式庭園の「香雪園」。明治時代の豪商・岩船家が別荘として造成したもので、1927(昭和2)年から市民に一般開放されています。「旧岩船氏庭園」として、北海道で唯一の国指定文化財庭園となる園内には、カエデを中心に約150種類の木々が植えられ、秋になるとモミジやカエデ、イチョウなどが、赤や黄色、オレンジ色に染まります。数寄屋風書院造の園亭や渓流などと、色づく木々のコラボは、まさに絵にかいたような美しさ。紅葉が見ごろを迎える10月下旬~11月上旬には「はこだてMOMI-G(もみじ)フェスタ」も開催され、約100m続くカエデ並木などがライトアップ(16時~21時)されます。明るい太陽のもとで見る紅葉とは趣の異なる幻想的な紅葉が楽しめるので、時間が許せば、ぜひ昼と夜の両方の紅葉を楽しんでみてください。

DATA
住所:北海道函館市見晴町56(見晴公園)
電話: 0138-57-7210(函館市住宅都市施設公社)
https://www.hakobura.jp/features/253

8月~12月まで色づくナナカマドが演出するここだけの紅葉

大三坂

 いわゆるモミジやカエデの紅葉とは一味違う紅葉を見られるのが、函館山のふもとにある「大三坂」です。美しい石畳の坂道と異国情緒を感じさせる建物群が作り出す雰囲気から、日本の道100選にも認定されている名坂を赤く染めるのは、街路樹のナナカマド。例年8月下旬~ナナカマドの実がオレンジに色づき始め、9月中旬には赤い実が目立つように。10月下旬~11月上旬には葉と実が赤く染まり、11月下旬には葉が落ちて赤い実だけが残ります。12月まで木に残る赤い実は、真っ白な雪とのコントラストを描き出すこともあり、まさに写真を撮りたくなるここだけの絶景です。

DATA
住所:北海道函館市末広町
電話:0138-23-5440(函館市観光案内所)
https://www.hakobura.jp/features/41

 上記で紹介した「香雪園」は、湯の川温泉がある湯の川地区の高台に位置しています。暑さもやわらぎ、過ごしやすくなる秋の函館。絶景スポットの紅葉を楽しんだ後は、登別温泉、定山渓温泉と共に北海道三大温泉地に数えられる名湯で、のんびり癒されてみては?

※紅葉の時期は例年の目安です。

※この記事は、「つなぐ旅~東日本~ ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています

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