マーダーミステリーというゲームをご存知だろうか。
複数人で集まり、役が与えられ、役になりきって事件を解決していくゲームである。与えられる役には犯人の役もある。犯人になったら犯人であるとバレないように、犯人以外になったら犯人を探すような行動をするわけだ。
簡単に見えるかもしれないが、各役が秘密を抱えていたりして、犯人探しをややこしくしていく。
筆者の所属するストーリーレーベル「ノーミーツ」には「ポラリス」という名のストーリーゲームレーベルがある。
ポラリスは、マーダーミステリー通称マダミスを始めとする没入型ストーリーゲームを制作し販売している。
第1弾は「RED LINE」。吸血鬼をテーマとしたマーダーミステリーだ。2021年に発売された。そして、第2弾「インサイドブルー」が2022年7月27日に発売された。こちらもストーリーゲームだがどうやらマダミスではないらしい。
筆者は、7月23日に開催された先行体験会で「インサイドブルー」を体験してきた。
没入型ストーリーゲームは、1度プレイしたり、ネタバレを読んでしまうと、二度と体験することができない。そこでこの記事では、ネタバレなしで、忌憚なく「インサイドブルー」の感想を書いていこうと思う。
レトロな商店街でひっそり遊んだ
没入型ストーリーゲームと言ってもイメージが湧かないかもしれない。
ボードゲームをイメージしてもらうと良い。
箱の中にストーリーの書かれた冊子やカードが入っていて、それを読み上げていくことでストーリーが進んでいく。
筆者はポラリスの第1弾「RED LINE」を実は体験していない。
組み立ての過程に運悪く関わってしまって、プレイするより先にネタバレを知ってしまったのだ……。
ネタバレを知っていてもプレイできる唯一の方法を教えてもらったのだが、5人きっかり集めてプレイする、というのが適当さのある私には難易度高く、まだ実現に至っていない。
今回の「インサイドブルー」はネタバレも制作過程も全く知らずに体験できるということで、楽しみにしていた。
先行体験会は、東京都のとある下町の商店街で行なわれた。
商店街に着くとそのレトロさに圧倒された。
ポラリスはゲームマーケットにも出展しているのだが、毎回空間づくりのうまさで話題になっている。
そんなポラリスが商店街の一角に空間を作ったら、そりゃ素敵な空間になること間違いなしだ。
到着したら、合宿所をイメージした部屋へ通された。
どうやらここで体験会の概要を説明してくれるらしい。
説明を受けた後、次は部室をイメージした部屋へ案内された。
この部屋でゲームをするようだ。
ポラリスのP型の箱を開け、中にある指示に従ってゲームを進める。
ポラリスはゲームマスター不要で遊べるのが特徴だ。
多くのマダミスはゲームマスターという1度そのゲームを遊んだことがありゲームのことをわかっている人がいないとゲームを進められない。
ポラリスでは、必要なことは全てP型の箱の中に書いてあるので、ゲームマスターがいなくても遊べるということのようだ。
「インサイドブルー」には劇伴のようなものが付いていた。
P型の箱の中のカードのQRコードを読み取ってWebサイトにアクセスすると、ゲームの場面に応じた劇伴を流すことができる。
国語の授業を思い出す音読感
最初にストーリーの前提を説明された後、各々キャラクターを選んだ。
キャラクターのことが説明されている冊子を選んで、どんな性格なのか、どんな記憶を持っているのか、どんなことがしたいのか、どんな秘密があるのかを読む。その冊子に書いてあることは、選んだ人しか知ることができない。
筆者は「ボン」というお坊っちゃま男子高校生を選んだ。
言い忘れていたが、「インサイドブルー」はオカルト研究会に所属する高校生5人組のストーリーだ。奇妙な噂話の真実を探しにいく。
高校生5人の中から自分がやりたいと思ったキャラクターを選ぶ。
性別や年齢など気にせずなりきれるのが1つの楽しみだ。
各プレイヤーがキャラクターブックを読んで各キャラクターを掴んだら、ストーリーを進めていく。
全員が関わるストーリーはカードに書いてあり、個人にしか関わらないストーリーは各キャラクターのストーリーブックに書かれている。
カードは、各プレイヤーが順番に読み上げていく。
ポラリスをしていると、文章を読み上げる機会がとても多い。
文章を音読するのなんて、小学校の国語の授業くらいではないだろうか。
実際にポラリスをやってみて、合う・合わないはあるだろうなーというのを感じた。
国語の授業で音読するのが得意だった人はいいのだが、苦手だった人はそれを思い出してしまう機会になるだろう。
音読をしなくても文章を読む時間が多い。
文章を読むのに苦手意識のある人は、おそらくポラリスは苦手だと思う。
筆者は小学校の国語の授業で文章を読み上げるのが得意が故に浮いてしまって、あまり良い思い出がないので、それを思い出してしまって苦手意識が自分の中に浮上してくるのを感じた。
没入型ストーリーゲームならではの面白さ
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