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海上を風力で自動帆走するドローン開発のエバーブルーテクノロジーズ 地域支えるスタートアップ4社

「JID Product Pitch 2022」 JAPAN INNOVATION DAY 2022 by ASCII STARTUP

連載
JAPAN INNOVATION DAY 2022

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AsMama:アナログとデジタルの両輪で「つながりとシェア」を実現

 最後に登壇したAsMamaは、アナログとデジタルの両輪で生活や子育てを頼り合う共助コミュニティ作りに取り組んでいる。子育てを地域で頼り合えるプラットフォーム「子育てシェア」を2012年に開発して、1時間500円の1コインで登録料も手数料もかからず送迎、託児が地域で頼り合える仕組みを作った。気軽に「助けて」と声をかければ都合のつく人が助けてくれる。ただ世の中の98%は子育てを頼れる人が近所にいなかった。

株式会社AsMama代表取締役社長 甲田恵子氏

 そこで、子育てシェアを再設計して、生活・子育て共助コミュニティを実現するアプリ「マイコミュ」に進化させた。生活や子育てをそれぞれの対象エリアの住人同士で頼り合える。住人の利用料、登録料、手数料は無料。子供の送迎や託児の頼り合いには保険も適用される。オレンジ色のTシャツを着たAsMama認定サポーター「シェア・コンシェルジュ」を地域リーダーとして全国で1500人以上育成した。

 シェア・コンシェルジュは交流イベントやワークショップ、子供の預かり合いを体験できる機会をつくり、口コミやSNSでコミュニティの存在を知らせてアプリ登録者を増やす。交流イベントで顔を合わせた人たちが送迎・託児や一緒のお出かけが気軽にできる地域になる。10万人近くが利用して満足度は98%、「助けて」の依頼に対するマッチング成功率は80%を超える。

 アプリを広げるため企業や自治体と連携する。富山県舟橋村では3年間の地方創生案件でマイコミュアプリを実装。小さな村の図書館や公園でシェア・コンシェルジュが交流イベントを実施し、周辺都市から移住促進で出生率が1.5から1.9に上がった。奈良県三宅町では昨年4月に作った複合施設をハブに、1年目に20人以上のシェア・コンシェルジュが育った。UR都市機構とは集会所の活性化で入居促進や退去防止につなげた。

 自治体は地域の人を増やして移住定住を促進でき、子育てを頼り合う仕組みがあるので出生率が上がる。企業は地域コミュニティを活用したマーケティングができる。AsMamaの甲田氏は「子育てシェアとマイコミュアプリを日本中に広げ、社会課題を地域住民が解決する。それぞれが自己実現できる社会を実現している」と述べた。

老若男女、高齢者も若年層も巻き込むデジタルプラットフォーム

 質疑応答で甲田氏は「子育て世帯を多様な方々が助けるプラットフォームに進化した」と語った。

中村氏:マネタイズの仕組みは? シェア・コンシェルジュはボランティアなのか? 保険は何に使うのか?

甲田氏:自治体の地方創生推進交付金や、マンションディベロッパーや商業施設でコミュニティ立ち上げ費、シェア・コンシェルジュによるプロモーションで企業とのプロジェクトが収益になる。シェア・コンシェルジュは業務委託もあるが、パート・アルバイトとして報酬を支払うことも。保険は個人賠償責任保険や、施設賠償責任保険、送り迎えの自転車が倒れた時の傷害保険で、日本で初めてデジタルの頼り合いに保険をつけた。

遠藤氏:コミュニティのプラットフォームと理解した方がいいか?

甲田氏:子育てを頼り合えるプラットフォームを商用化して、地域人材の活躍支援と、子育ての両方をする。子育て世帯をより多様な方々から助けてもらうため、自治体や企業と組んで子育ての助け合いから進化させた。

八潮氏:高齢者やまだ子供はいない世帯も対象にイベントをしているのか?

甲田氏:2009年に創業して10年間は子育て世帯を中心の頼り合いだった。マンションや自治体と組むようになると、高齢者や若年層をどう巻き込むのかが課題になり、防災訓練やヨガ教室をして老若男女が顔を合わせる機会づくりを積極的に行っている。

残間氏:シェア・コンシェルジュは企業や自治体を通じて募集するのか?

甲田氏:募集説明会は毎月オンラインで実施して日本中から応募できる。40時間以上の研修や保険、名刺、チラシを全て無償で提供する。ただコミュニティを作りたい企業や自治体と連携した方がシェア・コンシェルジュの自立は早い。システムはアジャイル開発で企業や自治体と取り組むたびに進化させているのも強みだ。

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