現世代最強クラスのゲーミングPCここに見参!第12世代Core i9&RTX 3080 Ti搭載の「PG-DC12T」の実力に迫る

文●勝田有一朗 編集● ASCII

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現世代最強のCPUパワーが炸裂

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 ここから各種ベンチマークの結果を交えて、PG-DC12Tのパフォーマンスをチェックしていこう。最初のベンチマークはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を3DCGのレンダリング速度で測るベンチマーク「CINEBENCH R20」と「CINEBENCH R23」の結果から。

CINEBENCH R20実行結果

CINEBENCH R23実行結果

 結果はCINEBENCH R20がマルチスコアー10435pts、シングルスコアー767pts。CINEBENCH R23がマルチスコアー27121pts、シングルスコアー1980ptsというものだった。

 試用機に搭載されているCore i9-12900Kは、Pコア8基+Eコア8基を搭載するハイブリッド・アーキテクチャーの16コア/24スレッドCPUで、動作クロックは最大ブースト時5.2GHzに達する第12世代Coreの最上位モデルだ。ゲーミング最強の座を奪還するために投入されたとの触れ込み通り、とても高いスコアーが記録された。

 参考までに、K付きではないものの第11世代最上位の「Core i9-11900」搭載PCで計測したCINEBENCH R20のスコアーは、マルチスコアー約5300pts、シングルスコアー約600ptsというものだった。マルチで約2倍、シングルで約1.25倍伸びていることになる。

 ところが、ここで1つ問題提起せざるを得ないのがCore i9-12900Kの発熱量である。噂通りの発熱具合で、PG-DC12Tに搭載されたファン4基の簡易水冷クーラーをもってしても、ベンチマーク実行中のCPU温度はあっけなく100℃に到達し、サーマルスロットリングが発生していた。ベンチマークが終了するとCPU温度は瞬時に30℃まで下がるので、簡易水冷クーラーに問題があるわけではなく、サーマルスロットリング上等で冷却性能任せに電力を送り込むCore i9-12900Kの裏の一面が垣間見えたわけだ。

 ただ、このような挙動もBIOSでPower Limit制限をかけると多少は改善する。MSIのマザーボードは取り付けるCPUクーラーの種類に応じてPower Limitを4096W、288W、241Wの3段階から選択できる。デフォルトでは4096Wの事実上無制限になっているが、241Wに設定することでベンチマーク中の最高温度は95℃に留まり、サーマルスロットリングは起きなかった。なお、この時のCINEBENCH R23のスコアーはマルチで27123pts、シングルで1993ptsで、スコアーに影響は見られない。

 もともとCore i9-12900Kはサーマルスロットリング上等な設計にも思えるし、ここまで発熱するのは全コア全開のベンチマーク中だけでゲーム中などは問題無い。それでももし気になるのであれば、性能がほとんど変わらない点も踏まえて、Power Limit制限をかけた状態で運用するのもアリだと思われる。

 続いて、PC全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2532)でも計測してみた。

PCMark 10実行結果

 総合スコアーは8935で、その内訳は、アプリ起動速度/ビデオ会議/Webブラウジングなどの性能を測る「Essentials」が11362。表計算や文書作成などのオフィスソフト性能を測る「Productivity」が11262。写真編集や動画編集などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が15131という結果になった。

 EssentialsとProductivityがスコアー11000を超えているのはさすがといったところで、テレワーク作業などビジネス用途も十分快適にこなせるだろう。DCCはGPU性能によってスコアーが大きく変化するテストだが、約15000のスコアーは驚愕と言える。参考までにCore i9-11900+RTX 3080 Tiを搭載したPCのDCCスコアーは約13000だった。GPU依存度が高いベンチマークで、同じGPUなのにここまで大きな差が生じるということは、Core i9-12900Kがいかに大幅なパワーアップを達成しているかを示している。

 3Dグラフィックスの性能を測る定番ベンチマーク、「3DMark」(Ver.2.21.7324)でのパフォーマンス計測も行なった。

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD解像度(1920×1080ドット)のFire Strikeが38657、4K解像度(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが12538というスコアーに。DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD解像度(2560×1440ドット)のTime Spyが19257、4K解像度のTime Spy Extremeが9706という結果が出た。Direct X Raytracing(DXR)のテスト、「Port Royal」のスコアーは12974だった。

 参考までに、こちらもCore i9-11900+RTX 3080 TiのPCとスコアー比較したところ、Fire Strikeで約30%、Fire Strike Ultraで約5%、Time Spyで約14%、Time Spy Extremeで約17%、Port Royalで約4%のスコアー向上が確認できた。同一GPUなので、やはりCPUの影響が大きい低解像度のFire Strikeで大きな差が出ている。約30%差というと、GPUを1~2ランク上のモデルに変えたのと同じ効果に匹敵する。

 次に「CrystalDiskMark 8.0.4」を用いてPG-DC12Tの内蔵ストレージの速度を計測した。先に「CrystalDiskInfo 8.12.7」でストレージ情報を確認したところ、試用機には「Crucial P5 Plus SSD」1TBモデルが搭載されていた。PCI Express Gen 4接続のSSDになる。

前回、工場取材時に確認できたCrucial P5 Plus SSD

CrystalDiskInfo実行結果

CrystalDiskMark実行結果

 テストの結果はシーケンシャルリードが6724MB/s、シーケンシャルライトが4818MB/sというもので、PCI Express Gen 4接続のM.2 NVMe SSDの中でも高速な部類に入る性能といえる。普段使いでもゲームでも十分以上のパフォーマンスを発揮してくれるだろう。容量も1TBあれば当面困ることはなく、大容量AAAタイトルゲームを数本インストールしても大丈夫だ。

 PG-DC12Tは内蔵ストレージの拡張性も高いので、容量が足りなくなったらM.2 SSDを追加したり、安価な大容量HDDを追加して遊ばなくなったゲームデータの退避先にしたりと、いろいろなオプションが考えられる。

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