データベースに蓄積されていくデータをはじめ、各種センサーから収集されるものやSNSへの投稿といった「膨大なデータ=ビッグデータ」を分析し、将来予測や新たなモノ・サービスの開発、マーケティングなどに役立てようという動きが活発化している。
ビッグデータ利活用の領域は、ビジネスから公共政策まで多岐にわたる。システムインテグレーター大手のNTTデータは、企業等のビッグデータ利活用をサポートしているが、同社の強みの1つは、米ツイッターと「ツイートデータ提供に関するFirehose契約」を結んでいること。日々交わされている膨大なツイートをビッグデータに活かせるのだ。
同社が取り組むツイートを活かしたビッグデータ利活用の事例は、たとえば「選挙報道番組へのTwitterを情報源としたビッグデータ分析の導入」。ブログやSNSなど、インターネットサービスを利用した選挙運動(ネット選挙)が、2013年7月の参議院選挙から解禁されたことを背景とし、ネットユーザーの意識の変化をわかりやすくビジュアル化して放送できたという。
同社はまた、ツイートデータを株価予測に活用する取り組みも始めている。ツイートのなかから株式に関するものや株価に影響を与えそうなものを抽出。これらを数値化し、ツイートの状況と株価の動きの関連性を導き出し、株価予測に役立てる。「ツイートで盛り上がるとテレビ視聴率も上がり、逆に、テレビ視聴率が上がるとツイートも 盛り上がる」と言われるほど、ユーザーの動きや心境をリアルタイムでとらえられるのがツイートの大きな特徴。株価予測にこのリアルタイム性も活かされる。
ビッグデータを収集・加工・分析し、知見を引き出す人材として、データサイエンティストが広く求められているが、同社では、NTTドコモ、NTTナレッジ・スクウェア、および日本統計学会とともに、データサイエンティスト育成プロジェクトにも取り組んでいる。人材育成からサービス提供まで幅広く、同社はビッグデータ業界のけん引を担いつつある。