3月10日、独ハノーファーで開幕した情報通信技術の展示会「CeBIT 2014」。今年は主催者側の「IT. Business. 100%.」というコンセプトに従ってビジネス寄りにシフトしたものの、展示内容そのものは出展社にゆだねられているため一般来場者が未来のテクノロジーを垣間見る出展は盛りだくさん。世界最大規模のハノーファー国際見本市会場を舞台に10テーマのトピック出展、7テーマの特別出展、それにカンファレンスやラウンジ展示といった膨大な見所の中から、ポイントを絞ってリポートする。
メインエントランスすぐの一等地を確保していたのは、「デジタル・ビジネス・ソリューション」のトピック出展コーナー。ここでのポイントは、ズバリ「IoT(Internet of Things)」、さまざまな製品がネットワークにつながって新しい価値を生み出す世界だ。
通信事業者のドイツテレコムのブースでは最新スマートフォンの展示も華やいでいたものの、生活の領域、主に外出中に身の回りにあるものをネットワークに接続して情報を得る試みがブースの中心を占めていた。
車と言えばドイツのお家芸の一つ。フォルクスワーゲンのブースもスマートカー中心だ。
しかし実は、いちばん注目を浴びていたのは、ディーゼルと電気のハイブリッドカー「XL1」。やはりスマートテクノロジーも純粋な車の魅力には勝てなかったようだ。
インテルはエネルギー問題の解決のために、スマートデバイス/ビッグデータ/IoT/インターネットセキュリティーの4分野による解決を提案。クリスチャン・モラレル副社長が「インテルは、エンド・トゥ・エンドでソリューションを提供できる唯一の企業」であるというように、ブースでは各社のデバイス展示に加えて、パフォーマンスではなくエネルギー問題の解決に貢献するというスタンスでソリューションを紹介していた。
IoTによって大量のデータが蓄積されば、当然ビッグデータの活用も大きなテーマになる。案の定、マイクロソフトやIBMといった企業のブースでは、ソーシャルCRM、ERM、在庫管理やロジスティクスの改善につながる渋いソリューションが多数展示されていたが、SAPはその技術を使っていかにもドイツらしい(かつ展示会向き)の展示で来場者を集めていた。