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まずは第1弾、全貌はまだ見えていない?

遅れてきた本命、Haswell世代のThinkPadを見てきた

2013年07月19日 08時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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ThinkPad X240s

 インテルの第4世代Core iシリーズ(コードネーム:Haswell)に対応したThinkPadがついに登場した。

ラインアップの全体。抜けている箇所が多少気になる

 ThinkPadシリーズでは最も多く利用されているXシリーズとTシリーズでまずは展開する。ただし、今回発表された「ThinkPad X240s」と「ThinkPad T440s」は従来モデルの後継という位置付けではなく、SOHOやSMBをターゲットにした追加モデルという位置付けのようだ。そう考えると、ThinkPad Edgeのように少し明るくなった本体カラーなども納得がいく。

キーボードレイアウトなどを見ると、先行して販売されているThinkPad Helixとの共通点が多いことに気付く。

 各社のラインアップを見ても明らかのように、ノートパソコンには今年後半もうひとつの山が来る。その要因のひとつは、Haswell自体のラインアップ拡充があるが、現状ではWindows 7用のドライバーがなく、Windows 8しかないという面もあるのだろう。特に企業向けを視野に入れると、Windows 8よりは7だという層が多いと考えられる。ビジネスノートの本命は、今年の秋以降という考え方もできるはずだ。

 詳細は不明だが、ThinkPadにおいても今年の年末にかけて隠しだまがあるという想像のもと、次のモデルを予想してみるのも面白いかもしれない。今回発表されたモデルも(特にT440sのほうは)まだスペックの詳細が明らかになっていない部分がある。

ThinkPad X240sの試作機。まずはロゴの向きに注目してほしい。ほかに指紋認証の位置なども違う。

 さて新しくなったThinkPad 240sとT440sをみると、デザイン面での細かな変更に気付く。大きな違いは天板に置かれたロゴの向きだそうだ。これまでのThinkPadは、ThinkPad Helixのような例外はあったが、基本的に天板を閉ると手前にThinkPadのロゴが来ていたが、液晶ディスプレーを開いた状態で背後から見ると、ロゴの向きが逆になってしまった。これを止めて、使用している状態でロゴが正しい向きになるという形にしたという。

発表会でもロゴのイチをアピール

 開いてロゴが正しい向きになる……というのは今となっては割と普通のデザインだが、昔のPCではあまり一般的ではなかった。1997年にVAIOが出たときに、VAIOのロゴがそうなってみんなが驚いたというのも懐かしい思い出だ。逆に言えばThinkPadはそのころからのデザインを継承し続けてきたということでもある。感慨深さがある。

ドロップヒンジだが、水平までディスプレーが開く。裏から見るとピッタリと平らになっていて気持ちいい。対面に画面を見せながらタッチ操作というのも便利そうだ。

ヒンジ部分。内部から見るとかっこいい

 それ以外にもボディーカラーが若干明るめになったり、5ボタントラックパッドの上方に赤い線が加えられたりといった細かな変更がある。低消費電力が売りのHaswell搭載ということもあり、ACアダプターも小型化。従来の65W出力から45W出力になった。一見するとThinkPad Helixのものに似ているが、仕様は異なるという。

ACアダプターはかなり小型化した。

 急速充電には対応しないそうだが、アダプターの大幅な小型化と、300g程度まで軽量化したこと自体は歓迎できるだろう。

 内部を見るとバッテリーは手前と奥の2つに分けている。重さが均等に配分されるので、安定して持ちやすいという面もあるが、これはエアフローを意識してのものだという。左右に空気を流すための道ができており、効率よくCPUやチップセットの冷却ができる。

内部のカット

 X240sはハメ殺しで交換不可であるが、X440sは奥のほうを取り外し可能で、ホットスワップができる。交換バッテリーを用意すれば、電源を落とさず使い続けられるわけだ。ちなみにT440sとX240sの違いはディスプレーサイズ以外にも、ドックコネクターの有無がある(T440sのみが装備、ただし内蔵するチップの仕様によっては装備しないケースもあるという)。コネクター形状は従来品から変更されており、オプションも新しく提供されるという。

 従来ユーザーの視点から見るとうれしいのは、XシリーズでもフルHDの解像度が選べるようになった点ではないか。対応自体はT440sが先行して、X240sは年末にかけてになるようだ。日本では高解像度モデルの需要が特に高いが、世界市場で見ればコスト高になるので製品戦略上に交渉が必要だったという。そのため時期は若干遅れるが、継続した日本市場からの要求が成果を結んだ結果である点は喜ばしい。

ディスプレー出力などはフルサイズ。

 インテルのガイドライン上、Windows 8ではタッチパネルを装備しないマシンをUltrabookと呼べないそうだが、タッチパネル対応のモデルも用意される。無線LANに関しても、最新のIEEE 802.11acが可能になるようだ。薄さは18mmを切るが、アナログRGB出力と、Ehternet端子はキープしている。

HDDブラケットはインシュレーターの部分が大きく変更されている。本体の軽量化に貢献するという

 当然、堅牢性のポリシーは継続。薄くなってもOK。現状公開されているスペックは液晶ディスプレーがHD(1366×768ドット)で、Core i3-4010U(1.70GHz)、Core i5-4200U(1.60GHz)、Core i7-4500U(1.80GHz)を搭載した4モデル。ThinkPad 240sの場合、SSDでタッチなしの構成であれば1.2kg台まで軽量化できるそうなので、オプションの拡大に関しても期待したい。

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