キヤノンから、デジタルハイビジョンビデオカメラ「iVIS」(アイビス)の新機種4モデルが発表された。
手順に従うだけで簡単にビデオ作品が撮れる
「HF G10」と「HF M43/M41」
最上位機種「HF G10」(予想実売価格15万円前後)3月中旬発売予定、ミドルクラス機種「HF M43」(同10万円前後)と「HF M41」(同8万5000円前後)はと2月上旬発売予定で、それぞれ撮像素子に「HD CMOS PRO」センサーを新たに採用した。
これは同社の「XF105」(実売価格41万円前後)などの業務用ビデオカメラで採用されているCMOSセンサーで、センサーサイズが1/2.6型から1/3型となり、1画素あたりのセルサイズ(幅)が1.7μmから2.75μmと大型化している。有効画素数は下がるが(約601万画素から約207万画素)、集光効率がアップし、これにより高感度撮影時の画質が向上しているという。
機能面では完成度の高い動画作品を簡単に作れる「PLAY!ドラマティック」と呼ばれる撮影機能が新たに搭載された。その1つである「シナリオモード」は、あらかじめ本体にプリセットされた10個のテーマ(旅行、キッズ、学校行事など)を選び、さらにシナリオシーンを選んで指示通りに撮影することで、誰でも簡単に動画作品を作ることができる機能。
例えば「ブログ」というシナリオモードを選ぶと、「取材対象の紹介」や「カレンダーを撮る」「出発」といったシナリオシーンが表示される。そのうち1つを選んで画面の指示通りに撮影し、撮影後は引き続き別のシナリオシーンを選択して撮影――を繰り返すことでひとつの動画作品に仕上がる。
また「シネマルックフィルター」を使うことで、撮影時にセピア調やオールドムービー風などシネマのような雰囲気の映像にすることができ、加えて「タッチデコレーション」では、本体のタッチパネルモニターで、ペンやスタンプ、画像などで動画のデコレーションを行なえる。
そのほか、オート撮影モードである「こだわりオート」では、自動認識モードに「テレマクロ」が加わり、全38シーンの自動認識が可能になっている。
HF G10は10倍の光学ズームレンズを採用し、0.24型(約26万ドット)の電子ビューファインダーを搭載。モニターには絞り値やゲインなどのほか、波形モニターの表示も可能。映画とおなじ24p撮影も可能だ。
液晶モニターはタッチパネル式で、サイズは3.5型(約92万ドット)となる。32GBメモリーをするほか、SDHC/SDXC対応のメモリーカードスロットを2つ搭載する。
本体サイズは幅77×奥行き151×高さ78mm、重量は540gとなる。
HF M43とHF M41は、上位機種(HF G10)に搭載されている「虹彩絞り」を新たに採用。背景などのボケ味が円形となり、より自然な映像を撮ることができる。レンズは光学10倍ズームとなる。
液晶モニターはタッチパネル式でサイズは3型(約23万ドット)。内蔵メモリーはM43が64GB、M41が32GBとなり、どちらもSDHC/SDXC対応のメモリーカードスロットを2つ搭載する。本体サイズは幅74×奥行き137×高さ71mm、重量は420gとなる。
低照度撮影時のノイズが半分に!
小型・軽量モデル「HF R21」
光学20倍ズームレンズを搭載する小型・軽量モデル「HF R21」も新しくなっている。撮像素子には同社デジタル一眼レフカメラ「EOS」のセンサー技術を応用した、1/4.85型 CMOSセンサーを採用。低照度撮影時のノイズが、従来機種と比較して約55%改善しているという。
また従来機種からの進化点として、HF M43などと同様に3型(約23万ドット)のタッチパネルモニターを採用するほか、SDHC/SDXC対応のメモリーカードスロットを2つ搭載する。
撮像素子の効率的な利用により、画質を落とさずにズーム倍率を上げる「アドバンストズーム」などは従来通り搭載。内蔵メモリーは32GBとなる。
本体サイズは幅60×奥行き121×高さ61mm、重量は270g。2月上旬発売で予想実売価格は6万円前後となる。