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知っておきたいWebディレクターの基本スキル

2010年12月16日 11時00分更新

文●轡田 高志/フライング・ハイ・ワークス

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 Webディレクターの業務は、案件ごとに必要なスキルが異なります。そのため、ディレクターは幅広いスキルを身につけておくことが重要です。

 必要なスキルとしては、たとえば集客や認知を目的とした「企画系」のスキル、ビジュアルを重視する「クリエイティブ系」のスキル、また会員制サイトや、CMS導入などを考慮するための「システム系」のスキルなどが挙げられます。その中でも、業務の内容に関わらず常に求められるのが、スケジューリングスキル、すなわち「段取り」のスキルです。

「段取り」スキルを身につけるための3つのポイント

 段取りスキルとは、「情報の管理」「優先順位付け」「業務の推進」の3つを複合的に活用できる能力と言ってよいでしょう。まず「情報の管理」とは、クライアントの要望や注意点を的確にスタッフに伝え、仕様に沿って制作をしていくために必要な能力です。また、「優先順位付け」は円滑に作業を進めるため、そして「業務の推進」は目標を定めて業務を進行し、問題発生時には速やかに対処するために欠かせません。

「情報の管理」はただ記録を取ることではない

 情報の管理とは、単に必要事項を記録しておくことではありません。たとえば、ヒアリングや打ち合わせ時などにメモを取る際には、ただ内容を記入するだけではなく、注意点や後日提案する事項、再確認すべきことなどの情報を付加します。また、得られた情報をスタッフ内で共有することも重要です。

優先順位を付けることで作業効率が向上

 そこにある作業を上流から順々にこなすだけでは、無駄な作業や時間が発生する場合があります。この無駄を回避するには、作業の全体像を把握して優先順位を付けることが必要です。たとえば、作業内容を俯瞰することで作業の前にやるべき確認事項などを洗い出すことができ、それらを優先的に処理することで、その後の作業に無駄がなくなります。

 優先順位付けが終わったら、業務の中で最優先してすべきことと継続して進めることを違うタスクとして切り分け、タスクごとに締め切りを設定しましょう。次に、それぞれの締め切りから作業時間を逆算して、いつ作業を始めるべきかを明確にして作業を進めます。また、集中が必要な「頭脳作業」と時間をかければ進む「単純作業」は、作業時間帯や曜日などで分けておきます。作業の分割とタスクの明確化で、作業効率が高まります。

 Webディレクターにとって、「段取り能力」はあらゆる業務で必要なスキルです。普段から意識して身につけていくよう心がけてください。

著者:フライング・ハイ・ワークス

東京都近郊(首都圏)を中心とし、企業サイトやキャンペーンサイトの制作、CMSの設置などを行なっているWeb制作会社。掲載実績数は300点以上。クライアントのその先にいるお客様の事を考えた「意味を持つデザイン」と「訴求するコンテンツ」を提供する事を使命とし、ディレクターを中心にフットワークの軽さときめ細かい対応で制作を行なっている。

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