マイクロソフトは、米国現地時間3月18日、ラスベガスで開催中のWeb開発者向けカンファレンス「MIX09」において、Silverlightの次期バージョンとなる「Silverlight 3」のベータ版を発表した。日本時間の19日午前2時から、米マイクロソフトのWebサイトで、Windows版/Mac OS版のランタイムがダウンロード可能になっている。
デスクトップアイコンからSilverlightを起動する「Out of Browser」
Silverlight 3の目玉は、「Out of Browser(アウト・オブ・ブラウザー)」と呼ばれる、デスクトップ上でSilverlightアプリを実行する機能。ブラウザー上で動くSilverlightアプリを簡単な操作でデスクトップやスタートメニューに追加でき、ネットワーク非接続時にもローカルキャッシュを利用して動作する。別途、Internet ExplorerなどのWebブラウザーを立ち上げることなく、Silverlightのランタイムのみで動作するという。ただし、この機能を利用するには、Silverlightアプリ側の改修が必要で、「特定のコードを追加すれば機能するようになる」(マイクロソフト)とのこと。
Silverlight登場時からの強みである、ビデオストリーミング関連の機能も強化された。Silverlight 3では、新たに「H.264」をサポート。また、全画面表示での高精細画質(HD)動画再生にも対応した。
このほかの新機能としては、60個以上の新しいGUIコントロールの追加、3Dグラフィックのサポートなど、表現力の向上が挙げられる。また、「ディープ・リンキング」と呼ばれる機能によって、SEO(検索エンジン最適化)対策が取りやすくなったのも特徴だ。
開発ツールもアップデート、ついにMacでも開発が可能に!
Silverlight 3ベータ版のリリースに合わせ、開発ツールもアップデートされている。
まず、オーサリングツール「Expression Blend」の次期版として、「Expression Blend 3」のプレビュー版が公開された。Silverlight 3の新機能をサポートしたほか、新たに「SketchFlow(スケッチ・フロー)」機能が搭載された。これは、プロトタイプデザインからレビュー工程までを支援する機能で、より効率的にSilverlightアプリの制作を進められるようになるという。このほか、外部データのインポート機能が強化され、IllustratorやPhotoshopのデータをレイヤーやパスを保持したまま取り込めるようになっている。
また、同時に、オープンソースの統合開発環境「Eclipse」用のプラグイン「Eclipse4SL for Macintosh」のCTP(Community Technology Preview)版も発表された。Eclipse4SLは、マイクロソフトが支援しているオープンソースのプロジェクト。同プラグインをインストールしたEclipseを使えば、これまでWindows環境(ExpressionやVisual Studioなど)に限定されていたSilverlightのアプリ開発が、Mac OS上でも可能になる。
そのほか、各新製品の詳細な情報は後日、解説記事などでお届する予定だ。