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編集者コラム 第6回

ああ、インドってすごいのね

2007年12月17日 00時00分更新

文● 中西祥智(月刊アスキー編集部)

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12月22日発売の2月号ではインドのITに関する特集を企画していて、ここんところ脳内をゴダイゴの「ガンダーラ」が流れ続けているわけですが、それはともかく、取材を重ねて感じるのはインドのパワーのすさまじさです。

わざわざ記事にしなくとも、すでに多くの人は気付いているんじゃないでしょうか。日本でITエンジニアが足りない足りないと言っているときに、年間に数十万人の、優秀なエンジニアを輩出し続ける国全体の活力。当然ながら英語に堪能なそのエンジニアたちは、アメリカの大手企業と直接仕事をしていて、高いスキルを身に付けていきます。そしていまでは、日本には○○ができるエンジニアはいないのに、インドには大勢いるといったありさま。

IIT(インド工科大学)の非常に優秀な学生たちは、将来の希望に燃えて猛烈に学んでおり、すでに世界的な企業の重要なポジションにどんどん進出しています。あるインド企業に勤める日本人は、以前は米国系の著名なコンサルティング企業に勤めていましたが、その会社での上司もインド人だったというのは特徴的な話です。

門外漢としては、いつの間にインドってこんなに伸びていたのかと驚かされます。かつての社会主義的な政策を自由主義に切り替え、猛烈な競争が始まって躍進したインド。日本の10倍近い人口を抱え、このままの伸び率なら、いずれは確実の日本のGDPを抜くであろうインド。

そんな状況を聞くに付け、日本のITエンジニア、特に中小のSIerは今後どうなっていくのだろうと心配になりました。優秀で、かつコストもそれほど高くないインドのITのパワーを日本企業がフル活用するようになると、日本の中小SIerは、何を付加価値として生き残っていけばいいんでしょう。とはいえ、拡大するインドのパワーを止めることなんてできません。私たちにできることは、そのインドのパワーをいかに利用して、日本や日本企業を元気に、強くするかということでしょう。

ひるがえって私個人のことを考えてみるに、『フラット化する世界』でトーマス・フリードマンの言う“無敵の民”にはほど遠い。向上心・向学心あふれる彼らインド人エンジニアを見るにつけ、よし、僕もせめて英語くらいは勉強しようと思うのですが……。そう言い続けてはや何年か。

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